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EU離脱か残留かをめぐる今回の国民投票に関係して盛んに引き合いにされている統計が、非欧州資本の企業の60%が欧州本社をイギリスに置いているという統計です。そこで、ヨーロッパで事業展開している日系企業トップ30社の統計を更新し、域内雇用者数で見た上位30社(ただし、欧州本社の管轄地域にアフリカ、トルコ、中東、ロシアを入れている会社もあります)のうち16社が欧州本社をイギリスに置いていることを確認しました。30社中16社ということは53%ですから、全体統計をわずかに下回る割合です。これら企業は、域内で実に42万人近い社員を直接雇用しています。
今回の更新に際して、矢崎総業を2位に追加しました。同社の欧州本社はドイツにあり、欧州事業とアフリカの工場を管轄しています。欧州とアフリカの社員数は計4万5,200人ですが、当然ながら大半はアフリカの工場の社員です。
イギリスがEUを離脱することになるとしても、イギリスはなおも歴史的な関係やイギリス連邦時代のつながりを理由に、ヨーロッパとアフリカまたはEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)を管轄する本社をロンドンに置くのが理にかなっていると議論できることでしょう。しかし明らかに、自動車業界にとっては、これは大きな要因ではありません。業界で欧州御社をイギリスに置いているのはホンダのみで、部品サプライヤは顧客に追随する傾向にあります。
エレクトロニクス業界でよく知られたブランドを有する企業のほとんどは、欧州本社をイギリスに置いています。金融機関はほとんどがロンドンに本社を置いていますが、雇用者数があまり多くないため、トップ30社には含まれていません。
矢崎を追加したことで日本電産が押し出されましたが、買収に積極的と見受けられることから、遠からず復活するのではないかと思われます。
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