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多様性

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Category: 多様性

アラブ首長国連邦 ― 多様性と脱炭素

イギリスのBBC放送で「Inside Dubai: Playground of the Rich」という番組が放送されています。ドバイに移住したイギリス人たちの様子を追いかけるシリーズです。彼の地ならではの「太陽と栄華と無税」を謳歌しながらも「規則遵守」が求められ、生活のペースの「凄まじい変化」に対応しなければなりません。

ほとんどのイギリス人にとって、ドバイのイメージは「無税と贅沢と石油」です。とりわけ新型コロナの発生以来、多くのイギリス人セレブリティが機会を見つけては休暇に訪れ、そんなイメージを伝えてきました。彼らがインスタに投稿する写真は、明るい日差しをエンジョイしている写真ばかりで、背後には豪華絢爛な建物や調度が写り込んでいます。でも、居心地の悪さがあるのも否めません。ドバイのイギリス人が植民地時代のようなふるまいをする傍らで、ドバイに住む他の民族の人たちは、はるかに困難な生活を送っているからです。人権侵害にまつわる懸念も払拭できませんし、飲酒、不倫、同性愛に関する厳しい規則もあります。

このイメージは、ジェトロが最近の報告書で説明した結論とは対照的です。いわく、日本企業は再生可能エネルギーや脱炭素に関係する事業開発の場所として中東に魅了されていて、アラブ首長国連邦はサウジアラビアに次いで注目されているとのことでした。

アラブ首長国連邦が中東で最も日系企業の多い国であることは、私も以前から認識していました。数年前に2回訪問して現地の日系銀行で異文化研修を開催しましたし、移民の構成比率が世界で最も高いこの国の文化的な複雑さを理解するために時間を費やしてきました。

この知識が、最近も役に立ちました。ある日本のエネルギー会社から、アラブ首長国連邦でダイバーシティとインクルージョンの研修をサポートしてほしいと依頼されたのです。この研修は、インクルージョンを拡大するための幅広い取り組みの一環と位置付けられていました。年齢や性別や人種にかかわらず、すべての社員の意見に耳を傾けることで、特に脱炭素に関するイノベーションを奨励しようとする取り組みです。

ドバイでは現在、万博が開催されていますが、そのテーマもESG(環境・社会・ガバナンス)を強調しています。「Programme for People and Planet」と称して「新しいアイデアとイノベーションをオープンに交換する」ための活動を展開していて、「人類の進歩の中心に平等、敬意、尊厳を据える」と説明しています。

外国直接投資を誘致する意図もあって、アラブ首長国連邦の指導者らは、すでに万博の準備期間中から、多様性に対して寛容な法律の枠組みが必要になると認識していました。今では、特に特別経済区でのハラスメントと差別を禁じる新法が制定されているほか、飲酒法や個人生活にかかわるイスラム法が緩和されています。

ですから、日本企業がアラブ首長国連邦に対して再びポジティブな感情を抱く理由は理解できます。事業開発の観点だけでなく、会社が変化・進化するうえで必要な多様性を許容する法律の枠組みになりつつあるという点で、この国に魅力を感じているのでしょう。

帝国ニューズ・2022年2月9日・パニラ・ラドリン著

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ジョブ型の教育研修

ロンドンの金融サービス会社で取締役会議の進行役を務めた時、日本人の取締役が、イギリスの能力開発について様々な疑問をぶつけてきました。専門特化した社内の専門職者が、上級幹部の役職に就くうえで必要な経営の知識をどうやって得るのかを知りたいと思っていました。イギリスでは、多くの場合、社外の講座でその種の知識を習得します。日本では、伝統的にジョブ・ローテーションを通じてOJTでこの種の知識を学ぶところです。

これを説明したところ、さらに質問が出ました。社外研修の費用を払って社員に学習してもらっても、その後転職されるだけだとしたら、会社には何のインセンティブがあるのか、という疑問でした。

イギリスでは、金融サービス業界に対する規制当局からの圧力がかつて以上に強まっていて、経営幹部は、自分の行動だけでなく部下の行動にも説明責任を問われるようになっています。つまり、毎年のパフォーマンス評価で、パフォーマンスの目標だけでなく、行動面の目標を達成したかどうかも問われることを意味します。パフォーマンスと行動の実績が期待に達しなかったのであれば、どのような種類の研修とリソースを提供する必要があるかを能力開発の面談で話し合うことになります。

日本でも「ジョブ型」の人事制度が導入されるようになっていることから、この種のアプローチが必要になるでしょう。これは成果主義とは異なります。成果主義とは、パフォーマンスの目標とボーナスへの影響に重点を置いているためです。ジョブ型の評価は、パフォーマンスと行動の両方をとらえ、その社員の能力開発にとって何を意味するかを考えます。

マネージャーは、研修を人事部だけに任せておくことはできません。同期や同位の社員に対して同時に研修を施す横並びのアプローチではなく、ジョブ・ディスクリプションと個人の能力開発計画に合った研修が必要だからです。同様に、給与やボーナスも、すべての部署で一律というわけにはいきません。

ただし、配属される職種や事業部門によっては、新卒で入社した社員が仕事の専門性を付けるまでに時間がかかるかもしれません。このため、新卒社員の処遇に当初からあまりにも格差を設ければ、これは不公平になるでしょう。

このため、ヨーロッパの大手企業は、新卒社員向けに多数の研修プログラムを提供しています。例えば、ユニリーバは、新卒社員向けの「フューチャー・リーダー・プログラム」で7つのトラックを設けています。マーケティング、人事、財務、研究開発、サプライチェーン&エンジニアリング、技術管理、顧客開発(営業)です。

私は(30年以上前に)ユニリーバのマーケティング・トラックに入る機会がありましたが、差し出された分厚いバインダーを見て気が萎えてしまい、内定をお断りしました。最初の3年間の予定があまりにも詳細に記載されていたのです。結局、あるPR会社が初めて採用した新卒社員の一人としてキャリアをスタートしましたが、後にこの選択を後悔したものです。この会社の研修は完全に社内で行われ、うまく実践されておらず、研修生の処遇にもばらつきがあったからです。日本企業は、海外でも日本でも、この両極端と日本式の横並びモデルの間でバランスを見つける必要があります。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2020年11月11日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

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グローバル志向の人材を引き付けるには、働きたい会社としてのブランドが必要

去年、ロンドンで開かれる日本人マネージャーの会合で、「日本は好きでも、日本企業では働きたくない」というトピックの講演をしました。このタイトルは、大学で日本語を勉強したり、JETプログラムで数年間にわたって日本で働いたりしたとがあるヨーロッパの若い人たち、あるいは単にアニメやゲームで日本文化のファンになった人たちの感想を集約したものです。

彼らが日系企業で働きたがらない理由は、やりがいのある楽しいキャリアにはなりそうにないと思っているからです。残業が多く、官僚主義で、堅苦しい年功序列があることを案じています。しかも、ヨーロッパの日系企業はほとんどが、面白みに欠けるエンジニアリング業界の販社だと思っています。

そこで私は、「働きたい会社」としてのブランドを強化して若い人たちにアピールすることを、先の会合で提言しました。ヨーロッパの人でも、日系企業での社歴が長い社員の多くは、日系企業で働くのが好きだと言っています。理由を聞くと、違っている、変わっている、興味深い、長期志向で人間味があるなどの答えが返ってきます。欧米系の多国籍企業は、様々な側面が標準化されていて、結果重視で短期志向ですから、それとは異なります。また、日系企業は、現地採用社員の短期的な日本派遣も考えるべきでしょう。日本人以外の新卒採用者が社内人脈を開拓して、意思決定に参加し、キャリアを開発できるようにするためです。

とはいえ、海外の現地採用活動のためだけにブランドを強化するよう、ヨーロッパの駐在員が日本の本社にリクエストするというのは難しいことも分かります。おそらく日本の本社は、グローバル志向の日本人新卒者を雇うのが優先課題だと考えていることでしょう。

今回の講演では、外国と日本の大学を卒業予定の日本人学生を対象とした「キャリタス就活2020」の調査結果も紹介しました。それによると、外国の大学に通う日本人の学生は、ヨーロッパの学生と似たニーズを抱えています。日本の大学生は、安定性を重視していて、海外よりも日本で働き、同じ会社で長く働きたいと考えていますが、外国の大学で学ぶ日本人は、良い報酬をもらいながら自分の夢を実現し、日本よりも海外で働くことを希望しています。

働きたい会社としてのブランドを強化し、魅力的なキャリアパスを用意することに加えて、私がもうひとつ提案したのが、ヨーロッパの社員を管理する日本人駐在員を対象に、リーダーシップ、フィードバック提供、ダイバーシティとインクルージョンについてのトレーニングを提供することでした。

もちろん、これは私のビジネスにつながることを期待しての提案でしたが、講演後にある日本人マネージャーと話して、それ以外にも理由があるかもしれないことが分かりました。その人は取締役で、社員の80%は日本人だけれども、若手社員と年配社員の間、および外国の大学を卒業して外国に住んできた社員と日本で大学に行き主に日本で働いてきた社員の間に大きなコミュニケーションギャップがあると言いました。明らかに日本企業は、日本人社員の間でも異なるマインドセットに対応しなければならないということのようです。

このトピックに関するPernille Rudlinのプレゼンテーションのビデオは、Rudlin ConsultingのYouTubeチャンネルで覧いただけます。
 

Pernille Rudlinによるこの記事は、2019年7月10日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

パニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

 

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日本好きだけど日系企業だ働きたくない

センターピープルの2019年6月19日の人事セミナーで行ったパニラ・ラドリンの「日本好きだけど日系企業だ働きたくない」スピーチのスクリーンキャストです。

 


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海外子会社の4つの管理方法

最近の日本出張中にアマゾンのオフィスを訪れ、同社に勤めている友人とランチをしました。入社したのは1年3か月前ですが、過去1年ほどでオフィスが急拡大したため、今では全社員の社歴ランキングの表で上半分に入るようになったそうです。

また、彼を含めて同社の東京オフィスで働いている外国人社員は、ほぼ全員が現地採用で、米国本社から派遣されてくる駐在員はほとんどいないとのことでした。これを聞いて私が思ったのは、業務をモニターする駐在員の管理職者がいない状態で、こんなにも急成長している子会社をアマゾンの本社はどうやってコントロールしているのだろうかということでした。

アマゾンはまた、20数年前の創業時のように、すばやく商品を市場に送り出すスタートアップのメンタリティを保つため、社内のプロセスや手順を最小限に抑えようとしています。

3つの海外子会社の管理方法

これまで様々な多国籍企業とその子会社に社内外の両方の立場からかかわってきましたが、海外子会社の管理方法は大きく3つに分けられます。営業力を重視する米国企業は、子会社に数値目標を課してコントロールする傾向にあります。子会社の社員や管理職者が目標を達成すればボーナスを支給し、目標に到達しなければ解雇します。米国本社でない多国籍企業でも、多くがこのシステムを使用しています。数値は誰でも簡単に理解でき、言葉に左右されないからです。

2つ目の管理方法は、米国と欧州の多国籍企業が用いている方法で、コンプライアンスを重視します。規則やプロセス、システムを厳密に導入して、命令系統のヒエラルキーも明確にすることで、誰がどの事業の責任と権限を握っているかを全社員が把握して行動します。

3つ目の方法は、日本企業のほか、「ミッテルシュタント」と呼ばれるドイツの家族経営の企業によく見られます。“家族”がコントロールする、すなわち本社から内輪のメンバーが子会社に赴任して、現地で何が起きているかを監視すると同時に、会社の文化を浸透させようとするスタイルです。

アマゾンの管理方法

東京で会ったアマゾンの知り合いによると、同社は採用過程で厳密なプロセスを踏むことにより、本社の理念に沿った行動を徹底させようとしているとのことでした。採用に際しては、複数の社員による面接を数回行って過去の経験を尋ねることで、候補者のマインドセットを知ろうとします。

しかし、この方法は、買収の結果として海外に子会社ができた場合や過去何十年にもわたって海外の子会社がある場合は、実践が難しいでしょう。日本の本社に浸透している価値観や行動とは異なる文化を持った古くからの社員がすでに大勢いるのです。

それに、十分に現地化して顧客に近い立場で事業展開しているのであれば、その多様性がもたらすメリットもあります。そうした海外子会社の社員に画一的な行動や価値観を押し付けるのは間違いと言えるでしょう。

いずれにしても、これから海外の事業買収や子会社の開設をしようとする日本企業には、グローバルに理解しやすい明確な企業理念と価値観を打ち出したうえで、それに則って海外の社員を採用し昇進させることを、ぜひ心がけてほしいと思います。

 

この記事はパニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」に出てます。Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

 

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サマー・エキジビション

今日はロイヤル・アカデミーのカフェでこの原稿を書いています。「サマー・エキジビション」に行って来ました。毎年開かれるこの美術展は、「ロンドン・シーズン」と呼ばれる夏の催しの一部です。「チェルシー・フラワー・ショー」、「エプソム・ダービー」、「ヘンリー・ロイヤル・レガッタ」などが、この一連のイベントに含まれています。

サマー・エキジビションは伝統的なイギリスの展示かと思われるかもしれませんが、今年は250周年を記念して、コンテンポラリー・アーティストのグレイソン・ペリー氏がキュレーターに選ばれました。自称「服装倒錯陶芸家」、すなわち女装をすることで知られるペリー氏が、かつてないスケールのダイバーシティとインクルージョンを目指しました。

この展示では毎年、ロイヤル・アカデミーの会員が近作を出展しますが、会員以外の人も作品を提出できます。ペリー氏のチームは、史上最高の2万点を検討した後、ありとあらゆる種類の絵画、彫刻、映像、刺繍、建築模型などを展示に選びました。国籍も多様で、湯浅克俊氏ほか日本人の作品も含まれました。

支離滅裂な展示になり得たかもしれませんが、意外にも今のイギリスをとらえた展示が完成したと、私は感じました。クリエイティブでユーモラスで、政治的でもあり、多文化が混じり合い、ヘタウマや門外漢の作品を称えながらも、イギリスらしい田園と都会の風景、そして人々を表現していました。

この展示に行く前に、イギリスの貿易大臣が講演する昼食会にも出席しました。イギリスのEU離脱をポジティブにとらえようとして、イギリスはこれからも投資先として魅力的であり続けると強調していました。研究大学が多数あり、スキルと創造力を強みとする労働力が存在し、法制度と金融インフラが安定しているというのが、その理由でした。また、過去1年以内に楽天と富士通がイギリスのフィンテックやテクノロジーに投資したことにも言及しました(最近では。

もちろん、自動車業界の製造部門がサプライチェーンをEUに移し始めていることには触れませんでした。ジャガーランドローバーは、生産拠点をスロバキアに移すと発表しました。スロバキアでは昨年、イギリスに生産拠点を有する日本の自動車部品メーカー少なくとも1社が工場を開設しています。

ただし、日本関連の業界関係者から出た質問のほとんどは、移民に関係した内容でした。EU域外からの移民に認可されるビザ(日本人の社内異動にも必要となります)は、過去6か月連続で上限に達しました。また、EU加盟国からの移民は、母国に帰るか、そもそもイギリスに来なくなっています。

イギリスの失業率は、歴史的な低レベルにあります。ある日系人材会社の人から聞いた話では、同社の求人案件の欠員率が前年比50%増となっているそうです。イギリスのEU離脱後は、域内からも域外からも人材雇用がさらに難しくなると、企業は案じています。

提案されている解決策のひとつは、時間はかかりますが、イギリスの非熟練労働者に高レベルのスキルを研修し、低スキルの労働はロボットに任せるというものです。とはいえ、サマー・エキジビションが示したとおり、ダイバーシティと多文化の影響は、イギリスの特色であり、この国を革新の起きる場所にしてきた要因でもあるのです。

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データの視覚化 

ヨーロッパの人が日本の人に提案をする際、あるいはディスカッションをしようとする際は、アイデアを視覚的に示すといいと、私はよくアドバイスしています。これにはいくつかのメリットがあります。第一に、英語の文章量を減らせること。この結果、日本の人がそれほど奮闘しなくても、提案内容を理解できるようになります。第二に、図解があることにより、私情抜きで冷静なディスカッションができるようになることです。指し示して意見の不一致を認める「対象物」ができるため、誰かの抽象的な考えをめぐって論争する必要がなくなります。

第三に、そもそも日本人は漢字という視覚描写的な文字、つまりコミュニケーション方法に慣れていることです。欧米では文章で直線を示していくような形式のコミュニケーションが主流ですが、日本人は、複雑な概念を視覚的かつ全体的に提示されることに対して高い受容力を持っています。

このような理解があったため、私は、イギリスの調査会社で働いている若い日本人の女性社員が言ったことに相当な驚きを覚えました。イギリスの同僚は、彼女が日本で経験してきたよりもはるかに多くの図解を使って調査結果を示していると言ったのです。特にインフォグラフィックが多用されていて、時にはインフォグラフィックと聞き取り調査の録画をビデオ形式の報告書にまとめて顧客に送ることもあるとのことでした。

ビッグデータ時代の到来に伴って、データの視覚化は成長産業になっています。そこで日本企業は、この種のスキルを持った会社や人材を雇い入れるべきなのでしょうか。それとも、これは何らかのソフトウェアを入手すれば簡単に自動化できることなのでしょうか。

データを視覚化するための自動化ツールは存在していますが、重要なのは、なぜそのデータを視覚的に示したいのかをまず考えることです。通常、視覚化する目的は、洞察をもたらしてディスカッションを刺激することです。インフォグラフィック自体が答えを示してくれるわけではありません。ディスカッションは、人間がインフォグラフィックの様々な解釈を説明し、取るべき行動について意見を語ってこそ成立します。インフォグラフィックは、指し示して意見の不一致を認める「対象物」であると同時に、バックグラウンドや母語が異なる人たちがより平等に討論する機会をもたらします。技術的なカベとしての言葉の重みを軽減するためです。

前述の日本人女性が働いている市場調査会社は、イギリスで設立され、2014年に日本企業から買収されました。ただし、アジア各地にオフィスがあり、多言語を話すスタッフがヨーロッパ全域に出張しているほか、イギリスにあるコールセンターは30言語以上に対応しています。

グローバルなマーケティング・サービスの会社にとって、イギリスは明らかに有利な事業拠点です。英語コミュニケーションの中心地であるうえ、多国籍の労働力があるため、様々な文化でデータが適切に解釈されるかどうかを確認できる人材が見つかります。日本のマーケティング会社や広告会社が近年イギリスの会社を多数買収しているのも、このためです。イギリスのEU離脱によって域内の移民や移動の自由にあまりにも多くの障害ができてしまい、この優位性が失われないことを願うばかりです。

 

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 ヨーロッパで活躍している日本人マネージャー向けにパニラ・ラドリンの日本人マネージャー向けのパフォーマンス管理多国籍チー日本人マネージャー向けのパフォーマンス管理ムと円滑に働く方法のオンラインコース

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シチュエーショナル・リーダーシップ

ヨーロッパ勤務になった日本人社員が最も難しいと感じることのひとつが、様々な国籍の人たちと働かなければならないことです。勤務地がロンドンであれ、デュッセルドルフであれ、アムステルダムであれ、同僚がイギリス人、ドイツ人、あるいはオランダ人だけということは、おそらくないでしょう。ルーマニア、リトアニア、ポーランド、スペイン、さらにはインドや中国の出身者も含まれている可能性が多々あります。

日本で提供されているグローバルなリーダーシップ研修やマネジメント研修の多くは、アメリカのモデルに基づいています。ヨーロッパの人はアメリカ流の経営スタイルに馴染んでいるため、少なくとも表面的には寛容に受け止めるでしょう。ただし、ヨーロッパの社員に表面的なコンプライアンス以上の行動を取ってもらおうと思うのであれば、これらの画一的なモデルの多くは、究極的に有効ではありません。事実、士気を下げる可能性があり、特にあまりにも厳密に数値目標を重視するとそうなります。

ヨーロッパのマネージャーがアメリカ流のモデルで最もうまく機能すると感じているのは、「シチュエーショナル・リーダーシップ」と呼ばれるスタイルです。何も新しい理論ではなく、1960~70年代にアメリカ人のポール・ハーシー氏とケン・ブランチャード氏が開発しました。これがヨーロッパの事情に合う理由は、唯一絶対の優れたリーダーシップ・スタイルは存在しないという考え方を基本としているためです。シチュエーショナルなリーダーとは、状況を見極めたうえで、自分のリーダーシップのスタイルを柔軟に調整し、適切にコミュニケーションできる人です。また、部下それぞれの「パフォーマンス・レディネス」、すなわち能力と意欲のレベルを考慮に入れます。

国ごとの文化の違いは、このモデルでは特に言及されていません。が、私のトレーニングでシチュエーショナル・リーダーシップを取り上げる際は、ヨーロッパ各国の傾向として知られるものに必ず結び付けるようにしています。具体的には、トップダウンの意思決定とコンセンサス構築のどちらを好むか、フィードバックを提供したり指示を出したりする際に直接的なコミュニケーションと間接的なコミュニケーション、フォーマルとインフォーマルのどちらを好むか、といった違いです。

日本人の長所と短所

もちろん、ヨーロッパに着任して日が浅い人にとっては、これがかなりの負担に感じられる可能性があります。とりわけ、伝統的な日本の会社に勤めてきた日本人にとっては難しいことかもしれません。自分の気持ちや能力には関係なく、とにかく上司が言ったことを遂行すべく最善を尽くすという文化に慣れているためです。

でも、日本人のマネージャーには2つの大きな長所があると、私は考えています。あくまで一般論であって全員には当てはまらないかもしれませんが、25年にわたって日本企業にかかわってきた経験のなかで私が知り合った日本人のほとんどは、自分の能力を謙虚に受け止めていて、かつ他の文化に対して好奇心が旺盛です。つまり、学ぶ意欲があり、自分にとって普通のやり方でも変える必要があるかもしれないということを受け入れる姿勢があるのです。

パニラ・ラドリン著 帝国データバンクニューズより

シチュエーショナル・リーダーシップについてパニラ・ラドリンの日本人マネージャー向けのパフォーマンス管理多国籍チー日本人マネージャー向けのパフォーマンス管理ムと円滑に働く方法のオンラインコースお勧めします。

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アラブの文化と日本の文化

先月ドバイでセミナーを開催した際、現地アラブ人の参加者が突然手を挙げて、次のように言いました。「私の家族に共通することがたくさんあります!」。日本人のグループ志向や言葉に表さないコミュニケーション、以心伝心や思いやりといった概念を説明していた時のことです。

そこで彼女に、どのような点で日本人とアラブ人は似ているかを聞いてみたところ、次のような話をしてくれました。彼女の家族は、かつての日本の伝統的な家族のように3世代で同居しているそうです。ある日の夕方、おばあさんが「今晩のご飯は何にするつもり?」と聞いてきました。若い彼女は、マクドナルドのハンバーガーを買いに行こうと思っていたところでしたが、おばあさんがお腹をすかせていると察して、何を食べたいかを聞き返しました。すると、おばあさんはこう言ったのです。「お腹がすいているわけじゃないの。何もいらないわよ」。

彼女は結局、外へ出かけて伝統的なアラブの食事をテイクアウトで持ち帰りました。でも、おばあさんに見せると、おばあさんはいらないと言います。そこで家族で夕食を食べ始め、おばあさんの分を残しておいたところ、最後はおばあさんが食べ始めたそうです。

私は以前にも、アラブ人からアラブの文化と日本の文化が似ていると言われたことがあります。なぜそう思うかを尋ねると、たいていは、家族を優先する点、人間関係でビジネスをする点、年上の人を敬う点、それにこの女性の話にも表れているように、自分のニーズを非常に間接的に表現する点といった答えが返ってきます。

ならば、アラブのビジネス文化に日本人が適応するのは簡単かと思うかもしれませんが、実際には、ドバイに駐在する日本人の多くが直面する問題が2点あります。第一に、ドバイ自体が世界で最も多文化な都市のひとつであることです。人口の88%が外国人なのです。ほとんど全員が就労ビザで働いていて、永住権は持っていません。ですから、私のワークショップに参加する日本人駐在員も、ヨーロッパからインドからレバノンまで、きわめて多国籍の部下を持っています。

第二に、グループ志向ということは、内と外を明らかに区別する意識を持っていることを意味します。ドバイの駐在員にとって、ドバイ社会で「インサイダー」になることは非常に困難です。例えば、アラブのビジネスピープルの間では、ラマダンの間に顧客の家を訪問して断食を終える夕食を共にするのが慣習になっています。アラブの文化では、おもてなしが非常に重要な価値観なのです。しかし、アラブ人でない人が顧客の家を訪問するというのはとても勇気がいることであるのは、容易に想像できます。

ですから、日本企業は、若いアラブ人の大卒者を雇い入れてトレーニングとキャリアパスを提供するという、賢明な方法を選んできました。しかし、アラブ人にも驚くほど多様性があります。おばあさんの話をしてくれた女性はスカーフで頭を覆っていましたが、その隣のやはり若い大卒女性は伝統装束のアバヤを着て、でも長い髪を出していました。インターナショナル・スクールで教育を受けてきた彼女は、私がアメリカの価値観を説明した時に、むしろ自分の価値観に近いと言っていました。

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ミレニアル世代と海外勤務

日本と同様にヨーロッパでも、雇用主はミレニアル世代の社員の管理方法に悩んでいます。1980年代から2000年代初めに生まれた若手の社員です。

国を問わずミレニアル世代に共通する点をひとつ挙げるとすれば、言うまでもなく、ソーシャルメディアの使用度でしょう。この結果、この世代は世界に対して比較的オープンマインドであることが、一部で報告されています。イギリスでは、ミレニアル世代は年上の世代に比べてEUを支持する傾向にあり、移民に対しても心を開いています。ミレニアル世代は、会ったことのない人と関係を作り、住んでいる場所や国籍や性別に関係なく、お互いの興味や趣味を介して友情を育んでいくのに慣れています。

これに呼応して、外国に住みたい、外国で働きたい、外国に留学したいと思う割合も、年上の世代より高くなっています。PwCが2015年に行った国際調査によると、男女を問わずミレニアル世代の71%は、キャリアのどこかの時点で外国で働いてみたいと回答しました。また、やはりPwCが2015年に行った複数世代にわたる調査では、すべての年齢層と性別の回答者が、キャリアの早いうちに海外勤務を経験することが重要だと考えていました。

しかし、日本のミレニアル世代の調査では、留学や海外勤務の経験者が以前の世代に比べて減っています。留学や海外勤務から帰ってきた後にどんなポストが待っているか分からないという懸念があることは推測できますし、それは他の国でも最大の懸念となっています。

また、会社の側にも、誰を海外に赴任させるべきか、どんな役職を与えるべきかについて、一定の考え方があると思われます。私は最近、イギリス在住の様々な日本人女性にインタビューしたことのあるイギリス人の研究者と話す機会がありました。彼女の話によると、インタビューした日本人女性の多くは、海外駐在になることを期待して日本の日本企業に入社したそうです。けれども、海外駐在希望が無視され続けたため、自分で会社を辞めてイギリスに来ていました。

日本企業が抱えている問題には、若い人材の確保、社員の高齢化、男女を問わずグローバルな管理業務を担うことのできる人材の欠如などがありますが、こうした問題の多くは、転勤や人事異動についてもっと統合的でインクルーシブなアプローチを取れば解決することのように思われます。ヨーロッパの企業では、ヨーロッパ全域から大学卒業生を雇い入れて、様々な国の事業部門をローテーションさせることが普通に行われています。私のクライアント企業でも大手のいくつかが現在、ローテーションで社員を日本に送っています。グローバルな仕事というのは、必ずしも3~5年の海外勤務である必要はなく、期間は数か月から無期まで、あるいはバーチャルにグローバルな業務を担当することも考えられます。

イギリスのEU残留支持派が展開している政治運動では、ミレニアル世代をターゲットにしたこんなメッセージが語られています。イギリスがEUを離脱すれば、若いイギリス人がヨーロッパの他の国で勉強したり仕事したりするのは難しくなる、というものです。しかし、残念ながらミレニアル世代のもうひとつの特徴は、低投票率です。EU離脱を支持する年上の世代のほうが、熱心に投票所に行くでしょう。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2016年5月11日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

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Last updated by Pernille Rudlin at 2022年12月14日.

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