秋はヨーロッパ全域で新学年が始まる季節です。親にとっては、子供のための新しい洋服や文具、スポーツ用品などをすべて買い揃え、名札を付けるのに忙しい季節。同時に仕事のほうでも、長い夏休みから目覚めた顧客への対応で突如として忙しくなるのが、この季節です。
我が家では、7人目のオペアを迎え入れました。「オペア」の語源はフランス語で、外国から来て通常はホストファミリーの家に滞在し、育児や家事を手伝ってくれるお手伝いさんのことです。私たちは過去5年間、オペアのお世話になってきました。息子の学校への送り迎え、宿題の手伝い、家の掃除をこなし、いつでもベビーシッター役を務めてくれるなど、オペアがいなければ夫も私も仕事と子育てを両立するのは無理だったことと思います。
私たちのオペアのほとんどは、ドイツの出身です。EU加盟国の出身者は滞在ビザの問題がなく、違法労働を心配する必要もないため、オペアとして雇う際に最も簡単です。私たちはイギリスにいるので、選べる候補者が多いという点でも恵まれています。ほとんどのオペアは英語を学べる体験を希望しているからです。通常、オペアは18歳前後で、大学入学前に外国に1年間住んで文化を体験し、どの大学に行くか、大学で何を勉強するかを考える時間に使うというのが典型的なパターンです。
私たち親を助けてくれることはもちろんですが、息子が外国人とのコミュニケーションに慣れ、異なる文化や行動に触れられるという点も、私は気に入っています。
日本がグローバルな舞台でさらなる役割を担い、特に2020年のオリンピックを視野に入れて前進するにあたり、日本政府がオペアのような制度を考慮することはあるのだろうかと考えさせられます。現実問題として、日本の住宅の多くは、もう1人が住むには狭すぎるかもしれません。でも、私は18歳の時、広島のあるご家庭に住まわせてもらったことがあり、その体験を今でも良い思い出として大切にしています。そのご家庭では、私の部屋を作るために、息子さんと娘さんを同じ部屋に移さなければなりませんでした。2人にとっては決して歓迎できることではありませんでしたが、最終的には外国人が一時的に家族の一員になったことで全員にメリットがあったと感じてくれたと私は思っています。
そのホストファミリーのお母さんは、時々英語を教える以外には仕事をしていなかったので、私は家事を手伝う必要があまりありませんでした。私がホストファミリーから報酬をもらうのではなく(私たちはオペアに週75ポンドを払っています)、私の両親が私の滞在費をホストファミリーに支払っていました。
日本がオペア制度を導入すれば、子供と家の面倒を見てくれている人がいることに安心して、日本のお母さんが再就職のことをもっと現実的に考えられるようになるというメリットもあるのではないかと思います。これにより、子育て支援を拡大して女性の雇用を促進するという、政府のもうひとつの目標も推進できることでしょう。
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