This post is also available in: 英語
2022年を振り返って思うのは、仕事上でも私生活でも、人とのつながりやふれあいが復活した年だったということです。世界中の人が同じことを体験したはずです。私は一人の時間が好きですが、それでも他の人と対面で接して、自尊心を刺激されたりエネルギーをもらったりすることのできる環境が必要だと実感しました。
私の家族や友人は世界のあちこちに住んでいるので、コロナの前からフェイスブックやメールで連絡していました。でも今年、数年ぶりにいろいろな人を訪ねてみて、家族が近くにいてコミュニティ内で友達を作っている人と、友達のいない場所に引っ越して新しい友達も作っていない人の間で幸せ感に大きな差があることに気付きました。後者の人は、子供が成長して遠くへ引っ越した今では、孤独を感じているだけでなく、意義のない利己的な人生になっていると話していました。
私の仕事でも、対面の研修のほうがオンラインの研修よりも望ましいのは明らかです。たとえ受講者がカメラをオンにしていても、私の話していることが役に立っているのかどうかが見えにくく、また受講者から洞察を得るのも困難です。
大手グローバル企業の経営幹部を対象にIT Services Marketing Associationが行った調査でも、仕事で付加価値を創造するにはコラボレーションの必要があることが明らかになりました。ITサプライヤとコラボレーションしてイノベーションやデジタル・トランスフォーメーションを進めることに対し、コロナ前よりも関心があると答えた回答者は、70%以上に上りました。特に日系企業の経営幹部は、世界平均以上にサプライヤとのコラボレーションに関心を寄せていました。
これはおそらく、日本の集団志向の文化の名残と言えるでしょう。また、日本のサプライチェーンで過去何年にもわたって構築してきたエコシステムも関係していると思われます。英米をはじめ、より個人主義の文化では、サプライヤと顧客の関係がそれほど協力的ではなく、もう少し敵対的です。
今年、久しぶりに会った人の一人が、映画監督をしているドイツ人の友人でした。実に20年ぶりの再会でした。イギリスがEU離脱交渉を進めていた2019年に、私の自宅からそう遠くない海辺のコミュニティでドキュメンタリー映画を撮影していました。夏の間にバラエティショーを興行しているダンサー、コメディアン、歌手、マジシャンのグループ、それにカニ漁師の様子を追いかけた内容でした。
パフォーマーたちは全員イギリス人でしたが、国際的な交友関係を持っている人たちで、うち2人はEU離脱の影響を受けてスペインに移住していきました。カニ漁師は一人で仕事をしていました。息子はこの家業を継ぐ気はなかったそうです。社会的・政治的な問題に関してはイギリスがEUの一部になるべきではないと感じて、EU離脱をめぐる国民投票では賛成票を投じていました。
私のドイツ人の友人は、独立独歩の道を歩むのは良いことではないとイギリスが悟り始めていると確信していて、まもなくEUへの再加盟を希望するだろうと予想しています。私には確信はありませんが、そうなってほしいものだと思っています。
Pernille Rudlin によるこの記事は、2022年12月の帝国データバンク ニュースに最初に掲載されました。
For more content like this, subscribe to the free Rudlin Consulting Newsletter. 最新の在欧日系企業の状況については無料の月刊Rudlin Consulting ニューズレターにご登録ください。