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新型コロナウイルスによって、誰もがビジネスモデルの再考を余儀なくされています。多くの大企業にとっては、パンデミックの前から検討していた抜本的な改革を導入する良い口実になると思われます。例えば、イギリスの自動車製造業は、EU離脱だけでも十分に影響を受けていましたが、ますます先行きが暗くなったと私は感じています。
私の住む町では、小さな小売店の多くが店を閉めて、オンラインに移行しました。在庫商品のリストをフェイスブックのページに投稿して、そこから注文を受け付けています。
スーパーの配達サービスは、ほとんどが高齢者や介添えの必要な人のみとなっているので、これに該当しない人は、自分で買いに行かなければなりません。買い物の回数を減らすべく、まとめ買いをしているため、持ち帰るのも一苦労です。
必需品の買い物で手一杯になることが予想されたため、私は、わずかばかりの楽しみとして、月1回のチーズの配達と週1回のヘルシーなお菓子の配達サービスに申し込みました。送られてくるものを細かく選ぶことはできませんが、多少の好みは指定することができます。さらに、棚に入れっ放しになっていた食材を引っ張り出して、クリエイティブな調理法を考えたりしています。
このようなことをしていたら、オーガニック野菜の配達サービスを使っていた時のことを思い出しました。毎週1回、何が送られて来たかと期待の高まる思いで箱を空け、内容物に一喜一憂しては、食材に合ったレシピを試したものです。でも、冬になり根菜類ばかりになったら、面白みに欠けるようになってしまいました。
食料供給を確保してようやく安心できるというのは、世界のどこであれ、人間に共通の性質です。でも、それが満たされた時点で、自分で食べたい、料理したいと思えるものを選びたくなるはずです。ということは、今の事態が終息した暁には、食品を販売する屋台は戻ってくると思われますが、その利用客は、必需品は別途配達で確保している新たな顧客層になると予想されます。
今回の事態を受けて、私もアマゾンの利用が増えました。ペットフードから、コーヒー、お茶、洗剤まで、いろいろ注文してます。アマゾンは、この種の生活品を、かつて中核事業だった書籍や音楽よりも優先順位の高い事業にすると発表しました。
コンテンツ・プロバイダ(私もその一人ですが)も、どのようにして商品をデジタルに顧客に届けるかを考え直しつつあります。私はテレビやラジオの政治風刺番組が大好きなのですが、この種の番組のほとんどは、スタジオ内に観客を入れて収録されています。今回の事態を受けて、当初、これまでの番組形式のまま、無観客で収録されましたが、それでは非常につまらない番組になることが分かりました。でも、最近では、スタッフのクリエイティビティが発揮され、番組の形式が少し変更されて、また笑える内容になっています。
私も今の時間を利用して、eラーニングのコースの改訂を始めました。ユーチューブにサンプルのモジュールを投稿して、新しいビデオも撮影しています。どんなビジネスであれ、与えられた制約のなかでイノベーションを生み出すことは、全員が直面している課題です。
Pernille Rudlinによるこの記事は、2020年6月20日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました
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