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中東

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Category: 中東

アラブ首長国連邦 ― 多様性と脱炭素

イギリスのBBC放送で「Inside Dubai: Playground of the Rich」という番組が放送されています。ドバイに移住したイギリス人たちの様子を追いかけるシリーズです。彼の地ならではの「太陽と栄華と無税」を謳歌しながらも「規則遵守」が求められ、生活のペースの「凄まじい変化」に対応しなければなりません。

ほとんどのイギリス人にとって、ドバイのイメージは「無税と贅沢と石油」です。とりわけ新型コロナの発生以来、多くのイギリス人セレブリティが機会を見つけては休暇に訪れ、そんなイメージを伝えてきました。彼らがインスタに投稿する写真は、明るい日差しをエンジョイしている写真ばかりで、背後には豪華絢爛な建物や調度が写り込んでいます。でも、居心地の悪さがあるのも否めません。ドバイのイギリス人が植民地時代のようなふるまいをする傍らで、ドバイに住む他の民族の人たちは、はるかに困難な生活を送っているからです。人権侵害にまつわる懸念も払拭できませんし、飲酒、不倫、同性愛に関する厳しい規則もあります。

このイメージは、ジェトロが最近の報告書で説明した結論とは対照的です。いわく、日本企業は再生可能エネルギーや脱炭素に関係する事業開発の場所として中東に魅了されていて、アラブ首長国連邦はサウジアラビアに次いで注目されているとのことでした。

アラブ首長国連邦が中東で最も日系企業の多い国であることは、私も以前から認識していました。数年前に2回訪問して現地の日系銀行で異文化研修を開催しましたし、移民の構成比率が世界で最も高いこの国の文化的な複雑さを理解するために時間を費やしてきました。

この知識が、最近も役に立ちました。ある日本のエネルギー会社から、アラブ首長国連邦でダイバーシティとインクルージョンの研修をサポートしてほしいと依頼されたのです。この研修は、インクルージョンを拡大するための幅広い取り組みの一環と位置付けられていました。年齢や性別や人種にかかわらず、すべての社員の意見に耳を傾けることで、特に脱炭素に関するイノベーションを奨励しようとする取り組みです。

ドバイでは現在、万博が開催されていますが、そのテーマもESG(環境・社会・ガバナンス)を強調しています。「Programme for People and Planet」と称して「新しいアイデアとイノベーションをオープンに交換する」ための活動を展開していて、「人類の進歩の中心に平等、敬意、尊厳を据える」と説明しています。

外国直接投資を誘致する意図もあって、アラブ首長国連邦の指導者らは、すでに万博の準備期間中から、多様性に対して寛容な法律の枠組みが必要になると認識していました。今では、特に特別経済区でのハラスメントと差別を禁じる新法が制定されているほか、飲酒法や個人生活にかかわるイスラム法が緩和されています。

ですから、日本企業がアラブ首長国連邦に対して再びポジティブな感情を抱く理由は理解できます。事業開発の観点だけでなく、会社が変化・進化するうえで必要な多様性を許容する法律の枠組みになりつつあるという点で、この国に魅力を感じているのでしょう。

帝国ニューズ・2022年2月9日・パニラ・ラドリン著

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アラブの文化と日本の文化

先月ドバイでセミナーを開催した際、現地アラブ人の参加者が突然手を挙げて、次のように言いました。「私の家族に共通することがたくさんあります!」。日本人のグループ志向や言葉に表さないコミュニケーション、以心伝心や思いやりといった概念を説明していた時のことです。

そこで彼女に、どのような点で日本人とアラブ人は似ているかを聞いてみたところ、次のような話をしてくれました。彼女の家族は、かつての日本の伝統的な家族のように3世代で同居しているそうです。ある日の夕方、おばあさんが「今晩のご飯は何にするつもり?」と聞いてきました。若い彼女は、マクドナルドのハンバーガーを買いに行こうと思っていたところでしたが、おばあさんがお腹をすかせていると察して、何を食べたいかを聞き返しました。すると、おばあさんはこう言ったのです。「お腹がすいているわけじゃないの。何もいらないわよ」。

彼女は結局、外へ出かけて伝統的なアラブの食事をテイクアウトで持ち帰りました。でも、おばあさんに見せると、おばあさんはいらないと言います。そこで家族で夕食を食べ始め、おばあさんの分を残しておいたところ、最後はおばあさんが食べ始めたそうです。

私は以前にも、アラブ人からアラブの文化と日本の文化が似ていると言われたことがあります。なぜそう思うかを尋ねると、たいていは、家族を優先する点、人間関係でビジネスをする点、年上の人を敬う点、それにこの女性の話にも表れているように、自分のニーズを非常に間接的に表現する点といった答えが返ってきます。

ならば、アラブのビジネス文化に日本人が適応するのは簡単かと思うかもしれませんが、実際には、ドバイに駐在する日本人の多くが直面する問題が2点あります。第一に、ドバイ自体が世界で最も多文化な都市のひとつであることです。人口の88%が外国人なのです。ほとんど全員が就労ビザで働いていて、永住権は持っていません。ですから、私のワークショップに参加する日本人駐在員も、ヨーロッパからインドからレバノンまで、きわめて多国籍の部下を持っています。

第二に、グループ志向ということは、内と外を明らかに区別する意識を持っていることを意味します。ドバイの駐在員にとって、ドバイ社会で「インサイダー」になることは非常に困難です。例えば、アラブのビジネスピープルの間では、ラマダンの間に顧客の家を訪問して断食を終える夕食を共にするのが慣習になっています。アラブの文化では、おもてなしが非常に重要な価値観なのです。しかし、アラブ人でない人が顧客の家を訪問するというのはとても勇気がいることであるのは、容易に想像できます。

ですから、日本企業は、若いアラブ人の大卒者を雇い入れてトレーニングとキャリアパスを提供するという、賢明な方法を選んできました。しかし、アラブ人にも驚くほど多様性があります。おばあさんの話をしてくれた女性はスカーフで頭を覆っていましたが、その隣のやはり若い大卒女性は伝統装束のアバヤを着て、でも長い髪を出していました。インターナショナル・スクールで教育を受けてきた彼女は、私がアメリカの価値観を説明した時に、むしろ自分の価値観に近いと言っていました。

この記事はパニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」に出てます。Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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Last updated by Pernille Rudlin at 2022-05-24.

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