日本では顧客訪問が営業の成功のカギ
最近、日本の大手人材会社のオフィスを見せてもらう機会がありました。人材業界と言えば、日本で最も急成長中の業界のひとつです。そこで成功している会社らしく、訪問したオフィスには活気があふれていました。ただし、営業部だけは例外で、誰も人がおらず、ひっそりとしていました。
案内してくれた担当者が言うには、営業社員が就業時間中にオフィスにいるようでは、査定が悪くなり、ボーナスに響くとのことでした。これは営業社員にとっては厳しい現実です。アポなしで会社を訪ねても、目指す相手には会ってもらえないのがほとんどだからです。けれども、この会社は、営業戦略の一部として「現場主義」を非常に重視しているとのことでした。
日本市場でものを売ろうと思ったら顧客をしらみつぶしに訪問しなければならないと言っているわけではありません。でも、電話やメールで連絡する前に、訪問してフェイス・トゥ・フェイスで話せるかどうかを考えてみる価値があるでしょう。
私が初めて現場主義のことを知ったのは1990年代、日本の大手商社で石の卸売業者に御影石を販売する営業をしていた時のことでした。私のオフィスには、世界中からサンプルが届いていました。イギリスにいたなら、そのサンプルを宅配便で顧客に送っていたかもしれませんが、私は顧客に電話して訪問のアポを取り付けていました。
顧客の反応を自分の目で見たかったという理由もありましたが、ほとんどの会社がこの種の訪問を有意義な時間にしようとしてくれたからです。1時間ほどかけて事業の話を聞いたり業界のニュースを交換したりしているうちに、営業のリードが手に入ることがしばしばありました。
ある顧客にサンプルを見せに行った時のことです。サンプルについての意見を聞き、お茶を飲みながら話しているうちに、青い御影石を探している建築家がいるという話を、その顧客がしてくれました。
もちろん、これこそが私の望んでいた類のリードでした。そこで、東京の反対側にあるオフィスに帰るや否や、世界中の取引先すべてにリクエストを送り、青い御影石がないかどうかを尋ねました。これは数千ドル相当の売り上げにつながりました。
現場主義は通常、製造業の文脈で使われます。すなわち、マネージャーが工場のフロアに出て自分で物事を確かめる、あるいは工場のフロアレベルで決定が下されていることを確かめることが重要だという意味です。でも私は、現場主義が日本の営業やカスタマーサービスの成功の秘訣でもあると思っています。
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