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通常であれば、イギリスの会社は、9月に新卒の新入社員を迎えるところです。しかし今年 (2020年)は、新型コロナウイルス感染症のため、大企業の多くが新卒採用やインターンシップを見合わせました。Institute of Student Employersがイギリス企業を対象に今年3月に実施した調査では、回答企業の4分の1以上が新卒採用を減らすと答えました。
とはいえ、今も採用活動を行っている会社や、新入社員を迎えるための計画を立てている会社はあります。新入社員の多くは、在宅勤務を強いられるでしょう。このため、新入社員にチームの一員になったのだと感じてもらうための方法を、クリエイティブに発想しなければなりません。
イギリスの法律事務所に入社したある社員は、ノートパソコンと在宅勤務に必要な機器だけでなく、会社のロゴ入りウォーターボトルやバックパックが入ったウェルカム・パッケージが会社から送られてきて嬉しかったと語っています。ビデオ会議中に他の社員が同じボトルから水を飲んでいたり、バックパックからファイルを取り出したりしたのを見て、チームへの帰属意識を感じたそうです。また、別の会社は、会社のロゴ入りマスク、家庭用お菓子作りキット、それに鉢植えの植物を、新入社員に送りました。
新入社員研修の内容にも、工夫が凝らされています。オフィスの様子をビデオで紹介したり、ランチの金券を送って、ビデオ会議で上司とインフォーマルに食事をしながら話す機会を作ったりしています。
これは、世界各地の日系企業にとっても、良い機会になり得ます。現地採用で入社した社員に、これからはこの会社の一員なのだと感じてもらうチャンスです。日本の本社の様子や日本文化の様々な側面を、ビデオで案内できるかもしれません。
同僚とのランチには、お弁当のデリバリーに使える金券を配布することができます。あるいは、バーチャル・カラオケ大会をグローバルに開催するというアイデアもあります。タイムゾーンが異なるので、早朝参加の人もいれば、晩酌後に参加する人もいて、少しおかしな体験になるかもしれませんが。
これは、日本のメーカーにとって商機でもあります。これまでに私が仕事上で受け取ったなかで、デザインや品質が最も良かったペンや日記帳やノートは、すべて日本企業のものでした。日本製のマスコットやぬいぐるみは、世界中で愛されています。ですから、親しみやすい会社のマスコットを作って、社員が机上に飾れるようにすると良いかもしれません。さらには、シャツ、Tシャツ、ネクタイ、スカーフなどのユニフォーム風のアイテムを歓迎する社員もいます。在宅勤務をしている間も仕事と私生活の線引きをハッキリさせるという点で、実用的なグッズになり得ます。
また、コンピュータ上で使えるバーチャルなデザインも名案です。スクリーンセーバーや壁紙だけでなく、ビデオ会議の際のバックグラウンドなどが挙げられます。ただし、バックグラウンドを合成ではめ込むにはグリーンバックが必要です。さもなければ、髪の毛が会社のロゴと一体化してしまうでしょう。グリーンバックをウェルカム・パッケージに入れるというのは、新入社員を歓迎する方法としては、やや込み入りすぎているかもしれません。
Pernille Rudlinによるこの記事は、2020年39月9日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました
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