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セミナーのチケット販売を設定するため、過去2年ほど使っていなかったオンラインのイベント・プラットフォームにログインしたところ、メッセージが表示されました。販売目的でサイトを使用するには、米国の内国歳入庁に登録する必要があるという通知でした。そのフォームに記入し始めたところで、不安がよぎりました。これほどの機微データを米国政府に託して大丈夫なのだろうか。政府効率化省の動きもあるなかです。
結局、イギリスの会社が開発した別のプラットフォームを見つけました。このプラットフォームは、米国とアイルランドの2か所に本社を持つ会社の決済システムを使っていて、私もすでに登録済みでした。アイルランドに本社があるため、私のデータを米国政府に送る必要はありませんでした。
この体験の後、米国を拠点とする他のデジタル・サービスについても代替のサービスを探すようになり、まさにそのニーズに対応するサイトがあることを知りました。ヨーロッパの住民向けに、米国企業のサービスの代わりになるものを推薦しているサイトです。紹介されているサイトの多くは、グーグルの検索エンジンを使っているものの、VPNを使用していて、データ・プライバシーの機能が優れていました。
15年ほど前に日系の情報産業会社で働いていた時に実施したデータ・プライバシーに関する調査を思い出しました。個人データを保管または共有する先としての各国の信頼度を調査したのです。ヨーロッパの人、特にドイツをはじめ独裁主義を経験した国の人は、信頼できない政権が統治している国に自分のデータを保管することに強い警戒心を持っていました。
この調査から数年後にEUの一般データ保護規則(GDPR)が導入されました。イギリスはEUを離脱しましたが、今でもGDPRに基づく規制を運用しています。過去1年ほどは、イギリスもEUも、個人データを不正使用した会社に罰金を科すようになっています。
日系企業にとっての朗報は、当時も今も、日本がヨーロッパで信頼されていることです。とはいえ、言葉の壁と文化の違いがあるため、日本のデジタル・サービスがヨーロッパのユーザーにとって魅力的な代替となることはあまりないでしょう。同様に、ヨーロッパのデジタル・サービスは日本人にとっては使いにくいかもしれません。
製品、データ、サービスの統合が進む昨今にあって信頼されるグローバルなソリューションを開発するため、ヨーロッパと日本の企業はかつて以上に互いの存在を必要とすることになるでしょう。
本記事は日本語で帝国データバンクニュース(2025年6月11日号)に掲載されました
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