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過去2か月ほどの間にイギリスとアイルランドを旅して、新型コロナとサプライチェーン問題が日常生活に及ぼした意外な影響に気付きました。8月にアイルランドのコークにいる親戚を訪ね、最初の数日をダブリンで過ごしました。ダブリンは活気があり栄えていましたが、多くの若者が生活費、特に家賃と住宅価格の高騰に不満を感じていました。
ダブリンはアメリカ人観光客でいっぱいでしたが、コーク県の海沿いの保養地ではアメリカ人は非常に少なく、観光客のほとんどがイギリス人と思われました。通常であれば、アメリカ人観光客はダブリンの空港でレンタカーをして国内をドライブ旅行するのが好きです。たいていはアイルランド系アメリカ人で、自分のルーツを求める旅です。でも、この夏はレンタカー代があまりにも高かったため、ダブリンを拠点に列車やバスツアーで他都市を訪れた人が多かったようです。
レンタカー代がこれほど上がった理由は、例年のように新車がレンタカー会社に納車されず、車両不足が生じたことでした。納車の遅れは、レンタカー会社だけでなく個人の消費者にも影響しました。おかげで古い車に乗り続けて、故障しても部品がなかなか手に入らないという事態が起きました。車の修理を待つ間にレンタカーが必要になるため、これも供給をひっ迫させる原因でした。
先月、イングランド東南部のケントに行った時は、借りたレンタカーが故障してしまいました。幸いにも整備担当者がすぐに問題を発見してくれました。バッテリーが古くて充電が利かなくなっているため、新しいバッテリーが必要とのことでした。冷却水も空っぽだと言われました。借りた時点で座席や床にシミや泥がありましたから、車内が清掃されていないのも明らかでした。整備担当者いわく、レンタカーの出入りが激しくて、整備や清掃を十分にする時間がない状態が続いていたそうです。
話をアイルランドに戻すと、不動産登記の仕事をしている従妹いわく、アメリカ人観光客は減っているものの、コークで住宅を買うアメリカ人がコロナ前よりも増えたとのことでした。コークは過去何年かIT業界や製薬業界の米系企業を引き付けてきましたが、比較的最近になってアメリカ人社員が本国から赴任するケースが増えました。リモート勤務やハイブリッド勤務が普通になったことで、アメリカ人社員は家族とアイルランドに移り住んだほうが幸せだと感じるようになったようです。子供がアイルランドの学校に通っていれば、米国の学校のように銃の乱射事件に備えて避難訓練をすることもありません。
近くフランスでレンタカーをする予定ですが、あちらでは中古車が新車と同じぐらいの値段で売れていて、レンタカーも会社ではなく個人から借りる人が出ているそうです。どんな体験になることやら、少し心の準備が必要そうです。
Pernille Rudlin によるこの記事は、2022年11月の帝国データバンク ニュースに最初に掲載されました。
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