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「大きい」とは何を指すのか——そして、「外国企業」とは何を意味するのか。それによって話は大きく変わってきます。
ラドリン・コンサルティングでは、企業の規模や成長を測る際に、資本金や売上高ではなく「従業員数」を基準にするのが好みです。なぜなら、資本金や売上高で比べると、まさに「リンゴとミカンを比べる」ようなものだからです。
東洋経済がまとめたランキングを見ると、従業員数ベースでの日本における「外国企業」トップ10は以下の通りです:
- アクセンチュア(25,000人)
- ジブラルタ生命保険(12,003人 – 親会社:米プルデンシャル)
- 三菱ふそうトラック・バス(10,633人 – 親会社:独ダイムラー・トラック)
- メットライフ生命(8,569人 – 親会社:米メットライフ)
- プルデンシャル生命保険(6,169人 – 親会社:米プルデンシャル)
- AIG(6,064人 – 親会社:米AIG)
- プロテリアル(5,759人 – 元日立金属、現:米ベインキャピタル)
- シャープ(5,603人 – 親会社:台湾フォックスコン/鴻海)
- スターバックス(5,505人 – 親会社:米スターバックス)
- ボッシュ(5,254人 – 親会社:独ボッシュ)
興味深いのは、このトップ10の大半がサービス業、特に保険会社であるという点です。製造業としてランクインしている企業のうち3社は、元々日本企業だったものが外国資本に買収された企業です。また、いくつかの生命保険会社も買収を通じて日本での存在感を高めてきましたが、最近は逆に事業売却も見られます。ボッシュも日本企業をいくつか買収してきましたが、デンソーの株式を売却するなど、再編も行っています。
なお、アクセンチュアについては、東洋経済は親会社や国籍を明記していません。これは、アクセンチュアがローカルパートナーシップの連合体であるためと考えられます。同様に、EYやデロイトも日本で従業員1万人を超えていますが、パートナーシップ構造のためランキングには含まれていません。
資本金(時価総額ではなく)によるランキングでは、金融系企業が上位を占めています:
- 日本ペイント(親会社:シンガポールのウットラム・ホールディングス)
- メットライフ
- 日本IBM
- BNPパリバ証券
- シティグループ証券
- アクサ生命
- ゴールドマン・サックス証券
- バンク・オブ・アメリカ証券
- ジブラルタ生命
- JPモルガン証券
売上高によるランキングは以下の通りです:
- シャープ
- 日本ペイント
- マイクロソフト日本法人
- 中外製薬(親会社:スイスのロシュ)
- プロテリアル
- 日本IBM
- 三菱ふそうトラック・バス
- NOK(親会社:独フロイデンベルグ)
- アクセンチュア
- メルセデス・ベンツ
これら上位10社のうち、60%はもともと日本企業だったというのも注目すべき点です。
このように、従業員数・資本金・売上高の3つの視点から見ると、ランクインしている企業の多くが日本に長年拠点を持っていることが分かります。しかし、今後の成長が期待される分野や新規参入企業を見ると、明らかに「IT・システム・ソフトウェア」分野の外資企業の日本進出が増えています。アメリカを中心に、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、韓国、台湾、ベトナム、そしてイギリスからの企業が続々と日本市場に参入しています。
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