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1960年代の未来予測を見ると、笑えるものがたくさんあるのは確かです。2020年には月旅行……などは、その例です。が、最近体験したいくつかの出来事を経て、なかにはズバリ的中と言えそうなものもあることに気付きました。ペーパーレス・オフィス、硬貨と紙幣の終焉、様々な仕事やタスクの自動化など、何度となく耳にした予測は、私が思っていた以上に早く実現しつつあります。
私の会社の会計記録のために月1回来てもらっていた簿記係の女性から、昨年末、この働き方では割に合わなくなったと告げられました。実のところ、私自身も、クラウドベースの会計ソフト、Xeroを導入して以来、彼女の必要性をあまり感じなくなっていたところでした。Xeroはニュージーランドの会社が開発した製品で、イギリスの中小企業の間で急速に人気を博しつつあります。税務局のウェブサイトの付加価値税還付機能と互換性のあるソフトウェアを使ってすべての財務記録をデジタル形式で管理しなければならないという義務付けが導入されたことが、これを刺激しています。
Xeroは、税務や会計のエキスパートでなくても簡単に使えて、銀行口座からの自動フィードにもリンクさせられます。しかも、領収書や請求書をPDFで受け取った場合はメールで転送すると自動的に記録に変換して帳簿に入力してくれる機能も追加されました。イギリスの税務局は、領収書、銀行口座の明細書、請求書などをデジタル形式で受理してくれるため、もはや紙の書類を簿記係さんに手渡して整理・照合してもらう必要はありません。つまり、紙のファイルはすべて捨ててよいということです。
このため、銀行口座の記録が十分な詳細度で管理されているかぎり、行く先々で領収書を出してもらう必要はなくなりました。近所の小売店のなかには、最近まで5ポンド以上の購入でないとクレジットカードが使えない店がありましたが、今ではすべての店が少額でもコンタクトレスの決済方法を受け付けています。おかげで、最後に現金を引き出したのは数週間前のことです。
最近、地元の女性の交流会に行った時には、これが問題になるかもしれないと思いました。この会合では、毎月、チャリティ抽選会があるからです。でも、ここでもコンタクトレスの装置で支払いを受け付けてくれました。このシステムを導入して以来、抽選チケットの売り上げが大幅に伸びたそうです。
私はデビットカードのコンタクトレス決済で抽選チケットを購入しましたが、他の人はスマホを機械にかざしてAndroid Payで支払っていました。
息子のスマホを私のAmazon Primeアカウントで購入して、その代金を小切手で返してねと咄嗟に言ってしまった時も、古さを露呈してしまいました。息子も18歳になり、自分の銀行口座を持つようになったため、これからはスマホの費用を自分で払いなさいという約束だったのですが、いぶかしげな顔で私のことを見て、どうすればいいんだ、銀行から小切手帳はもらっていないと言ったのです。結局、息子は、銀行のモバイルアプリで払ってきました。
Pernille Rudlinによるこの記事は、2020年2月12日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました
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