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EU離脱

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Category: EU離脱

製造業の東への移動とドイツ

ドイツは伝統的に、日本からの投資先としてヨーロッパでの地位をイギリスと争ってきました。日本からEUへの投資の約40%は、イギリスに集中しています。が、日本の外務省によると、日系企業の数においては、ドイツがイギリスの1.5倍です(ドイツ703社、イギリス471社)[1]。

この数値の違いは、ドイツとイギリスに投資している業界の違い、さらに買収されている企業の規模の違いから来ている可能性があります。私自身のリサーチによると、イギリスの日系企業は、ドイツの日系企業に比べて従業員数が多くなっています。

これは、主要雇用主である日本の自動車メーカーがドイツには工場を持っていないのに対し、イギリスには日産とホンダとトヨタの工場があることに起因しているかもしれません。日本の自動車部品メーカーは多数ありますが、その多くはドイツ語で「ミッテルシュタント」と呼ばれる中規模の企業です。

製造業はドイツのGDPの約20%を占めていて、日本と似たレベルです。ドイツは常に技術力の高さで知られてきましたし、リスクを嫌いプロセスを重視するドイツ文化の価値観は、日本企業のマインドセットにも合致します。

かたやイギリスのGDPに占める製造業の割合は11%です。イギリス経済の80%はサービス業、特に銀行や保険などの金融サービスで成り立っているのです。サービス業には、イギリスに複数の子会社を持つ日系企業も含まれています。また、ヨーロッパ全域で融資や他の機能を提供している商社、持株会社、サービス会社なども含まれます。

このことは、日本人の在住者数がドイツよりもイギリスに多いことを説明しているかもしれません(ドイツ4万6,000人、イギリス6万3,000人)。欧州地域のリエゾンやコーディネーターとして、日本の本社と連絡する役割を果たしていると思われます。ただし、日本人の在住者数は、イギリスは減っている一方で、ドイツは増えています。

ということは、イギリスは、サービス業のメッカとしての地位をドイツに奪われつつあるのでしょうか。詳しく見ていくと、イギリス在住の日本人が減っている主な要因は、学生や学術関係者が1年前に比べて3,000人減少したことであるように見受けられます。

駐在員の数は、イギリスは2015年から2017年の間に1%減となりましたが、ドイツ、オランダ、およびヨーロッパ東部では同じ3年間に数百人の増加となりました。

イギリスとドイツへの最近の投資を見るかぎり、過去数年のトレンドはなおも続いていると言えそうです。イギリスへの投資は、地域を管轄する持株会社の設立のほか、バイオ、IT、さらにはイギリス市場向けのサービス業の会社の買収などがあります。イギリスの駐車場の運営会社の買収などがありました。ドイツへの投資は主に、電子機器部品や機械関連の卸売業に流れています。イギリスにすでに営業や生産の拠点を有している日本企業が、ドイツに営業拠点を開設するケースも含まれています。製造拠点がヨーロッパの東部へと移動しているのを受けて、販売のハブも一緒に動きつつあります。

[1] 日本とイギリスの省庁や政府関係者は通常、イギリスの日系企業を1,000社前後としています。日本の外務省の2017年の統計では、イギリスに日系企業が986社あるとされました。しかし、これには、支社、事業所、持株会社(多くの場合、どれも同じ子会社が有しています)、さらに日本国籍のイギリス永住者が現地で設立した企業、合弁会社などが含まれています。ここに記した471社とは、日本に親会社のある日系企業の本社、すなわちイギリスにおける主な子会社のみを数えた数値です。

この記事はパニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」に出てます。Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

 

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EU離脱の最新情報

ここ数か月ほど、イギリスのEU離脱について書くのを避けてきました。語り尽くした感があったことが、その一因です。同じように日系企業も、警告を出すのを止めたかのようです。強硬離脱という最悪の事態に備える計画は、すでに多くの会社が策定済みで、場合によっては実行している会社もあります。また、公の発言は外交官と政治家に任せるようにと日本政府から指示があったという話も聞きます。

イギリス企業も、沈黙を保っています。下手に口を開けば政府との契約を危険にさらすとジョンソン政権から釘を刺された企業も一部にあるためです。金融サービス業界では(日系企業も含めて)、代替となる在EUの法人がすでに設立されていて、事業許可も得ています。外国為替、債券、株式市場に起こるであろう混沌から利益を手にするチャンスすらあります。

とはいえ、何が起きるかを確実に見通すことは不可能です。ボリス・ジョンソン首相が期限直前になってEUが新しい条件を提示しなかったことを批判し、EU基本条約(リスボン条約)第50条のさらなる延期を要求して総選挙に持ち込もうとするという予想も、本当になるかもしれません。ポピュリズム的な選挙運動を展開して、議会の過半数支持を決定的にしたいと考えることでしょう。その後ろ盾があれば、メイ前首相よりも自信を持ってEUに新しい条件を要求し、EUが譲歩しなければ合意なき離脱だと言うことができます。

問題は、メイ前首相に提示された条件が、期待できる最善の内容だったことです。これは、人の移動の自由を廃止し、欧州司法裁判所の管轄からイギリスを除外し、またEUとの関税同盟をなしにするという、ギリギリの線引きに立った交渉の結果でした。これらの線引きをジョンソン首相が消してしまうわけにはいかないだろうと思われます。

ジョンソン首相の主な狙いは、北アイルランド国境問題をめぐる、いわゆるバックストップ(安全策)条項をなくすことであるように見受けられます。北アイルランドとアイルランド共和国との国境を開放しておく策が見つからないのであれば、北アイルランドを事実上、EUに留める条項です。このバックストップ条項を「離脱協定」から削除して「政治宣言」に入れ、すなわち後で交渉するという小手先の方法もあります。そうなれば、おそらくは現行の2年よりも長い移行期間が必要になることでしょう。

在イギリスの日系企業にしてみれば、イギリスは数か月の混乱の後、数年にわたる移行期間に入ることになるかもしれません。技術的にはEUではなく、ただしそれ以外はすべて今までどおりで、交渉が長引いた後に、強硬離脱に終わるという筋書きです。

そうなれば、日系企業がすでに講じてきた対応策がベストの対応策だったということになります。製造業はサプライチェーンを調整してイギリスを迂回し、金融サービス業はイギリスのスタッフをおおむね維持しながらEUにも本格的な拠点を持つという対処法です。そして、近年イギリス投資を拡大した日系のIT、インフラ、アウトソーシング業界の企業は、公共セクターが重要な市場ですから、EU離脱に伴って必要になる新しい体制で政府の契約を獲得するためにも、口を閉ざしておくべきです。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2019年9月11日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

 

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ヨーロッパで「リーズナブル」とは何を意味するのか

イギリス政府は、EU離脱の交渉で、これまで二度にわたり「リーズナブル」という概念を持ち出しました。イギリスで働いている日本人のマネージャーにとって、この概念を理解することは非常に重要です。会社間や会社と社員の間で係争が起きた場合に調停の基礎をもたらすのが、この概念だからです。

イギリスのリアム・フォックス国際貿易大臣は、昨年8月の訪日中に、日本や他のパートナーに対してEUを説得するよう呼びかけました。「イギリスは、フェアでリーズナブルな条件を提示しました。この提示を却下して合意なき離脱になれば、EUにとっても、イギリスにとっても、イギリスの貿易相手国にとっても、良いことはありません」。

言語学者のアンナ・ヴェジビツカ教授は、著書『English: Meaning and Culture』の「Being Reasonable」という章で、イギリス人がフォックス大臣のような文脈で「リーズナブル」と言う時は、価値判断が暗に含まれていて、相手側が「アンリーズナブル」、すなわち「ばかげている」、「極端」、「無謀」だとほのめかしていると指摘しました。同教授はポーランド生まれのポーランド育ちですが、今はオーストラリアに住んでいて、この言葉のニュアンスがフランス語やドイツ語の同義語とどう異なるかについて、客観的な知識を有しています。EU離脱をめぐるEU側の主席交渉官、ミシェル・バルニエ氏はフランス人ですから、英語の「reasonable」を自然とフランス語の「raisonnable」に翻訳して考えていると思われますが、これは「分別がある」や「理屈で説明できる」ことを意味します。バルニエ氏の補佐を務めるザビーネ・ウェイアンド氏はドイツ人です。「reason」に相当するドイツ語の「Vernunft」には「秩序」の概念が含まれ、正しいプロセスがあることを意味します。「リーズナブル」の概念は、フランス語では否定形が存在せず、フランスの民法で1回使われているのみ、ドイツの法律ではまったく使われていません。

さらに最近になって、イギリスのジェフリー・コックス法務長官が、やはり「リーズナブル」を使用しました。北アイルランド国境をめぐる通称「バックストップ」案をイギリスが回避できるようにするための調停を提案した際の発言です。交渉が決定的に決裂した場合に、イギリスが代替案を見つけるために「リーズナブル」な努力を講じたかどうかを、欧州司法裁判所とは異なる独立した立場の調停機関に判断してもらうべきだと提案しました。しかし、国際法では、「誠意(good faith)」をもって「最善の努力(best endeavours)」を尽くし、拘束力のある保証に至ることを重視します。

ここまで来たところで、たいていのビジネスピープルなら絶望してあきらめたくなることでしょう。弁護士でもないかぎり、理解が非常に困難になってきます。とはいえ、ビジネスピープルである私たちは、イギリスでビジネスをするために、この概念を理解する必要があります。ですから、私の説明が少しでも助けになればと思うのです。社員に残業のような負担を請け負ってもらおうとする時、あるいはビジネスパートナーと交渉する時、相手がイギリス人であれば、「リーズナブル」は次の3つのことを意味します。(1)リクエストの背後にある理由を分かりやすく説明した。(2)害悪を及ぼす極端なリクエストではない(高すぎる、安すぎるなど)。(3)理由が合理的、論理的、実際的である。これで相手から「リーズナブルだと思います」という反応を引き出したなら、あなたは説得に成功したというわけです。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2019年4月10日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

パニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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国際貿易は常に改修が必要な橋のよう

どこまでやっても終わりがない仕事のことを、イギリスでは「フォース橋にペンキを塗る」ような仕事だと言います。フォース橋というのは、エジンバラ近郊に19世紀に建造された全長2.5キロ近い鉄道橋です。カンチレバー橋と呼ばれる設計で、非常に特徴ある見た目のうえ、赤い塗装が施されています。片端から塗装していくと、全部終えるまでには最初の頃に塗装した部分にまた塗り替えの時期が来るとされています。

イギリスのEU離脱は、イギリス企業にとって、まるでフォース橋のような状況になってきました。当面の決定事項に対応するための準備をようやく終えたと思ったら、新しい交渉が始まって、また新たな可能性が生じるのです。

私が作成している在英日系企業のデータベースも、やはりフォース橋です。現状を明確に把握したと思うそばから、追加すべきデータが出てきます。政府が提供している無料のオンラインデータベース「Companies House」には、イギリスで法人化されている企業すべてが毎年報告書を提出しなければなりません。一定規模を超えていれば、リスク要因を特定してその緩和策として何をしているかも説明する必要があります。

私はこの報告書を使って、従業員数、売上高、資本金など、他から入手できる情報を照合しています。ですから、イギリスには日系企業(支店を含む)が1,000社以上あり、その従業員数は16万人超、総売上高は1,000億ポンド前後だということが、ある程度の確信をもって言えるのです。また、日系企業がイギリスのEU離脱のためにどのような策を講じてきたかも分かります。

その多くはすでに報道されてきました。物理的に製品を動かしている企業、例えば自動車、製薬、エレクトロニクス業界などの企業は、すでに在庫や倉庫を拡大し、物流の見直しを行いました。金融や製薬のように多数の規制要件の適用対象となる企業は、EU域内の事業拠点を強化して、サービスや製品に関する事業許可をEUに申請しました。

組織構造上の変更も導入されています。大手日系企業の多くは、以前から欧州事業を持株会社体制にして、たいていは持株会社をイギリス、オランダ、ドイツのいずれかに置いてきました。エレクトロニクス業界の企業や商社は、イギリス拠点をEUにある持株会社の支店や「コミッション制のエージェント」に変更することで、契約主体が在EUになるようにしています。また、イギリスに留めておく資本を減らした企業もあります。

これらの対策が即座に雇用に劇的な悪影響を及ぼしているわけではありませんが、長期的にはイギリス企業の影響力を弱め、予算も縮小させると、私は懸念しています。

とはいえ、在英日本商工会議所の新年会のムードは、非常にポジティブでした。スピーチに立った人たちは一様に、日本とイギリスには共通の利益が多数あり、これからも共に前進していかなければならないと訴えていました。在英日本商工会議所の加盟企業数は、過去最高に達しています。食品、小売り、公共事業など、主にイギリス国内市場の開拓を目指して新たに進出してくる日本企業が増えているためです。この新年会でも、2018年に初のイギリス支店をロンドンに開設した青山フラワーマーケットが見事なフラワーアレンジメントを提供していました。

この記事はパニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」に出てます。Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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オランダと法人税

イギリスのEU離脱に備え、パナソニックが10月以降、欧州本社をイギリスからオランダに移転すると発表しました。同社の欧州地域のコーディネーション機能はほとんどがドイツに置かれていますが、本社所在地にオランダを選んだというのは、決して驚きではありません。私自身も、2013年に初めてイギリスのEU離脱の可能性に備える戦略を論じた際に、イギリスに代わる日系企業の事業拠点としてアムステルダムが有力になると予測していました。

オランダは日本人駐在員の割合が高く、ヨーロッパではルクセンブルク、イギリス、ベルギーに次いで4番目です。しかも2015年以降、急速に増えていて、2015年から2017年の間に23%増となりました。ただし、オランダの日系企業の数は、この3年間でそれほど増えていません。つまり、赴任する駐在員のほとんどは、新規事業拠点の開設ではなく、既存の事業拠点の拡大・強化のために来ていることを意味します。

イギリスやドイツの代替としてのオランダの魅力は、英語が通じやすいことに加え、アムステルダムとアムステルフェーンに在蘭日本商工会議所や蘭日貿易連盟をはじめ長年にわたって活発に活動してきたネットワーキングの機会が揃っていることが挙げられます。また、日系企業との取引経験が豊富な法務・財務・金融のサービス会社も多数あります。アムステルダムのライフスタイルは日本人にとって親しみやすく、なにしろ日本とオランダには500年以上の貿易関係の歴史があります。

パナソニック欧州本社のCEOはフランス出身のローラン・アバディ氏ですが、最近の取材に応えて、オランダ移転を決めた理由のひとつが日本のタックスヘイブンの取り扱いであったことを明らかにしました。もちろん、イギリスがEUとの協約なしに単一市場から離脱すれば、人や資本やモノの移動の自由が失われるという懸念は、やはり大きな理由です。

しかし、これらの理由に隠れて見落とされがちなこのタックスヘイブンの問題は、実際、日系企業が熟慮すべき点であることを、私も悟りました。

私が調べたかぎりでは、2018年4月以降、日本企業の海外子会社が他の海外子会社の持株会社として機能している場合、その持株会社の所在国の租税負担割合が20%未満であれば(たとえ持株会社が実際的な業務活動を行っているとしても)、配当や利子などの受動的所得が日本の課税対象となります。

イギリス政府は、EU離脱が国民投票で決まる前から、法人税を段階的に引き下げ、2019年には19%、2020年には18%にすると明言してきました。その後、2020年時点の税率は17%に引き下げられていて、現財務大臣はこの約束を守ることでイギリスがEU離脱後も引き続き「営業中」であることを示すとしています。

一方、オランダの法人税は25%ですが、多国籍企業の誘致を目的として個別の税制優遇を提供し、実質的にそれよりも低い税率とすることにオランダがオープンであることは、よく知られた事実です。

イギリス企業も、イギリスの法人税が17%になることはあまり歓迎していません。パナソニックと同様に、むしろ障壁のない自由貿易とグローバルに合意された透明なガバナンスの基準を好んでいるのです。

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ハードなEU離脱に備えるサービス業の選択肢

イギリス政府が提案する「ソフト」なEU離脱、すなわちイギリス・EU間の物の移動の自由を認めるという案は、EUに却下されるばかりか、イギリス経済にとって実際的な解決策にならない可能性が高いでしょう。日系企業も多数関係している製造業のサプライチェーンにおけるジャスト・イン・タイム納品をなぜイギリス政府が保護しようとするかは、政治的には理解できます。製造業の盛んな地方が主にEU離脱を支持したからです。「ハード」なEU離脱が自分の仕事を脅かすと気付けば、EU離脱に票を投じた人たちにソフトなアプローチを受け入れるよう説得できるかもしれないのです。しかし、イギリス経済の80%はサービス産業で成り立っています。サービス産業は主に都市圏と東南部に集中していて、これらの場所ではEU離脱の反対票が大勢を占めました。

しかし、最近ではサービス業と製造業を税関検査や規制上の目的で区別するのは難しくなっていて、これは自動車産業にすら当てはまります。日産自動車のイギリスの社員の10%は、東北部の工場ではなく、東南部の技術デザインセンターに勤めていて、自動車部品のほかソフトウェアやサービスも開発しています。

日系企業としてイギリス最大の雇用主になっている富士通は、日本ではメーカーかもしれませんが、イギリスではITサービスのみを提供しています。同社のイギリスの社員数は過去数年にわたって減少している一方、ポルトガルやポーランドのグローバル提供センターが人員を増やしてきました。富士通は、今やポルトガルでも最大の日系の雇用主で、約1,000人の社員が電話やインターネットで世界中の顧客に技術サポートを提供しています。

ポーランドとポルトガルには、複数の言語を話し、教育水準が高く、かつ低コストな労働力があります。サービス産業が求めるタイプの労働力です。ポルトガル経済は決して大きくはありませんが、ユーロ圏の危機から回復して、財政赤字は過去40年で最低水準です。失業率も改善し、政情も安定しています。

私自身は、ハードなEU離脱から事業を保護する保険として、エストニアの「電子居住権」に登録するかもしれません。これがあればエストニアで会社を設立して当地でユーロ建ての銀行口座を開設できるため、ユーロ圏内で簡単にユーロを送金・受領することができます。それに、EUの一般データ保護規則と日本・EU間のデータ保護に関する新しい合意があるため、EUおよび日本の同僚との間で顧客データを共有できるようになります。

同様に、金融や法務など厳重な規制下にあるサービス業界のイギリス企業は、EU域内に確固たる拠点を持つことで、EU域内での事業を継続しようとしています。

イギリスのEU離脱がハードなものになるとしても、サービス輸出業の企業がイギリスから完全に撤退することはないと、誰もが考えています。イギリス以外の国にもそれぞれのデメリットがあるからです。東欧は政情不安、西欧はコスト高に加えて、好ましいオフィスの場所と人材が不足しています。とはいえ、ヨーロッパ全域の様々な場所に事業拠点を置くという昨今のトレンドは、今後も加速するでしょう。

この記事は2018年8月8日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

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新たな目でフランスを見る

フランスはビジネスがしにくい国だということは、以前に書きました。事業を営むに当たって対応しなければならない官僚主義的な手続きが多すぎるのです。マクロン大統領の新政権は、規制緩和と特に銀行業界の税率引き下げを約束して、このイメージ問題を克服しようとしてきました。EU離脱後に備えるロンドンの銀行を誘致するため、パリの魅力を訴える広告キャンペーンすら展開しています。

しかし、これまでのところ、日系の銀行や金融サービス業界の企業に対する効果は見られません。日系の金融機関の多くは、イギリスのEU離脱後の欧州拠点としてフランクフルトやアムステルダムを選んでいて、どちらにしても欧州またはEMEA(欧州・中東・アフリカ)事業の調整機能は引き続きロンドンに置くと見られます。

金融業界の企業は顧客の近くにいる必要がありますから、日系の銀行がフランスよりもドイツやオランダを選び、当面はイギリスからあまり大きく撤退しない意向であるのは至極当然です。日系の大手企業、地域本社、それに日本人駐在員は、フランスよりもイギリス、ドイツ、オランダにはるかに多いからです。

ただし、リサーチしてみたところ、フランスに大きく事業展開している日系企業は、フランスが強みとする産業を反映して、食品・飲料、イメージング技術、ファッション・ビューティ、自動車業界に多いことが分かりました。これらの企業は、EMEA全域でもかなりの存在感を示しています。

日本とEUの経済連携協定は、食品と自動車の貿易に追い風をもたらすでしょう。このため、フランス拠点の有効性をあらためて検討する日本企業が増え、また日本との取引を積極化しようとするフランス企業も増えるかもしれません。

とはいえ、私自身は、フランスで会社を登録することには非常に消極的です。フランスに法人を有さないかぎり、フランスの顧客にトレーニングを提供するのは困難だということが明らかになりつつあるにもかかわらずです。

フランスの日系企業を調べるなかで、ソニーが過去数年の間にフランスの従業員数を大幅に削減したことを知りました。これを聞いて思い起こされるのは、閉鎖が決まった工場の従業員たちが、ソニー・フランスのCEOと人事部長を一晩監禁したという一件です。

フランスは、伝統的に労使紛争が激しく、ストライキ、抗議活動、さらには労働者対雇用主、市民対政府の直接対決も珍しくありません。この態度は、ビジネスの進め方にも表れています。ロンドン市の代表として最近EUを訪れた使節が、フランス銀行とのミーティングで、たとえEUにとって全体的に悪影響が多いとしても、フランスは強硬かつ破壊的なEU離脱を望んでいて、しかもロンドンをパートナーではなく敵と見なしていることが分かって驚愕したという内部メモをしたためました。

これは決して驚きではありません。マクロン大統領が提唱している予算削減や規制緩和に対し、軍人、教師、地方行政の役人などが抗議し始めている事実も、これと同じ流れです。これからしばらくは、ストやデモ、封鎖や妨害などが多発するでしょう。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2018年8月9日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

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技術とサービス

イギリス赴任は2度目という2人の日本人駐在員に、10年ほど前の前回の駐在時と比べてイギリスのどこが変わったと思うかを尋ねてみました。すると驚いたことに、2人とも、カスタマーサービスが良くなったと言ったのです。

これを聞いて、私は最初、レストランのウェイターや小売店の店員として働く東欧からの移民が格段に増えたせいかなと感じました。東欧出身の人々は、かつてイギリスで普通と考えられていたレベルをはるかに上回る情熱と能率で、こうした仕事をこなしているからです。

でも、よく話してみて、自分の最近の体験もあらためて考えてみた結果、駐在員の言っているサービスの改善は、サービス業に就く人の文化的なマインドセットというよりは、むしろ技術によるところが大きいことに気付きました「家で修理が必要になって人を手配すると、そのとおりにやって来る」と、駐在員の一人は言いました。実際、かつてはこういう確かさはありませんでした。修理人を待って一日仕事を休む羽目になり、遅れの理由を説明する電話ひとつないことも当たり前でした。

私も最近、洗濯機を買った際に、オンラインで注文して配達の日にちと時間枠を選ぼうとしたところ、夜9時まで配達の時間枠が設けられているのに驚かされました。注文後は店からメールとテキストメッセージ(SMS)のリマインダが何度も届き、時間を変更するオプションも提供してきました。配達当日にテキストメッセージが何度か配信され、1時間以内の正確さで到着時刻を予告してくるのもごく普通です。配達の人が何らかのGPS機器を持っていて、効率の良いルートを計画し、途中経過をアップデートしているのです。オフィスのスタッフも、彼らの現在地を把握して、サポートを提供することができます。

また、これは先週のことでしたが、アマゾンで注文した商品が届いていないことに気付いて「call me」というボタンをクリックしてみたところ、1秒以内に私の携帯が鳴り、(インドのコールセンターからと思われる担当者が)あらためて翌日発送で商品を手配してくれました。

この種のサービスは他の国でも提供されていることと思いますが、様々な調査によると、イギリス人は世界で最もオンラインショッピングを愛用している国民のようです。マッキンゼーの調べでは、インターネット普及率はヨーロッパより米国のほうが高いにもかかわらず、ヨーロッパの人のほうがアメリカ人よりデジタルの購入チャネルやバンキング・サービスを好む確率がはるかに高いことが分かりました。

イギリス経済に占めるサービス業の構成比は今や80%ですから、イギリスがサービス提供のあり方を改善したとしても驚きではないのかもしれません。日本企業にとっては、EU離脱があるとはいえ、イギリスのサービス業界の企業はなおも魅力的な投資機会です。技術を手に入れ、かつ世界の他の国のバーチャル市場を開拓するチャンスをつかめるからです。日本からイギリスへの最近の投資案件が、ソフトバンクのARM買収、あいおいニッセイ同和損保のInsure The Box買収など、技術主体のサービス業に集中していることは、注目に値します。

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ポーランドと東欧にとってのEUの魅力

イギリス在住の最大の外国人グループがポーランドからの移民になったと、先日ニュースで報じられました。ポーランド生まれのイギリス在住者は、2015年時点で約83万1,000人で、インド出身者を上回りました。ポーランドがEUに加盟した2004年から75万人の増加を意味し、東欧からの移民がいかに急速かつ大幅に拡大しているかを示しています。これは、イギリス国民がEU離脱に票を投じた根本原因のひとつでした。

とはいえ、ポーランドとイギリスのつながりには長い歴史があります。第二次大戦後に大量の移民がポーランドからイギリスに流入して定住しました。バトル・オブ・ブリテンで活躍したポーランド人パイロットの功績ゆえに、ポーランドからの移民は温かく歓迎されました。

ポーランドとイギリスの貿易の歴史はさらに古く、中世のハンザ同盟にまでさかのぼります。ロシアからバルト海地域を通ってドイツへ、さらにオランダやベルギーなどの低地地方、そしてイギリスへと至る交易が栄えました。

しかし、これをEUのような国家同盟と考えるのは間違いです。ハンザ同盟は都市同盟でした。私たちが今日知っているヨーロッパ諸国の多くは、当時は存在しませんでした。加盟していた都市は、グダニスクやハンザ同盟の盟主リューベックなど、準自治都市であるか、または神聖ローマ帝国かロシアかデンマークに統治されていました。もちろん、より最近では、東欧は共産主義国ソビエト連邦の影響下にありました。

今グダニスクを訪れると、戦後復元された旧市街は、プロイセンによるドイツ同化政策が取られる前の様子を映し出した、ある意味で想像の産物とも言える美しさがあります。本当の旧市街は第二次大戦で廃墟となったためです。連帯博物館も、やはり訪れる価値があります。グダニスクの造船所で労働組合「連帯」が起こした1980~1981年のストライキが、民主化のプロセスとなって世界を動かし、1989年にベルリンの壁を崩壊させたことを思い起こさせてくれます。

各国におけるEUの存在意義

EUに懐疑的なイギリス人は、EUが貿易のみに特化した同盟になるべきであって、イギリスの国境と財務と法律をめぐる統治権はイギリスが取り戻すべきだと訴えています。他のEU加盟国にとってEUとは、平和と民主主義を支えることで人々の暮らしを再び保障できるようになるための手段でした。しかし、この狙いはイギリスにとってあまり魅力的には感じられませんでした。最近の歴史において国内で地上戦が戦われたり、独裁者に支配されたり、はたまた他国に制圧されたりした経験がなかったからです。

他のEU諸国でも、EUは国の統治権にとって脅威をもたらすようになっていると、多くの市民や政治家が言い始めていて、これにはポーランドも含まれます。国境警備があらためて導入されつつあり、EU自体が最終的には崩壊する可能性も多々あります。

イギリスに住むポーランド人は、イギリスがEUから離脱した後の身分を案じています。EU域内に住む数百万人というイギリス人も、やはり不安を抱えています。

EUの日系企業で働いている社員の多くは移民であるため、日系企業に今できる最善のことは、確実に面倒を見ると約束し、必要とあらば日本や他国の子会社への転籍も可能にすると説明することでしょう。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2016年10月11日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

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イギリスのEU離脱が示唆するヨーロッパの経営管理についての洞察

イギリスのEU離脱交渉がどんな結果になるとしても、日系企業の反応という点においては、これまでの展開からすでに2つの結論を導くことができそうです。ひとつは、ヨーロッパで以前から明確化していた組織構造のトレンドが今後加速すること、もうひとつは、ヨーロッパにおける交渉法の違いがEU単一市場の25年近い歴史をもってしても依然存在することです。

組織構造に関しては、物理的な統合が分解する一方でバーチャルの統合が進んでいます。現時点でヨーロッパの最大手日系企業の半分以上が、地域本社をイギリスに置いています。その理由は、第一に金融をはじめ層の厚いサポートサービスがイギリスに存在すること、第二に人の移動の自由のおかげで様々な国籍者をイギリス国内で雇うことができ、また英語でビジネスができる便利さがあることです。後者の利点はEU離脱で消えるわけではありませんが、イギリスがEUの財務上の“パスポート”を返上するのであれば、金融セクターや他のサービスセクターの多くがアムステルダムやフランクフルトに移動するかもしれません。また、イギリスのEU離脱は、EUとイギリスの間の人の移動の自由に終焉をもたらす可能性もあります。

どちらにしても、バックオフィスや業務機能、コーディネーションといった仕事の多くは、すでにイギリスから流出しつつあります。英語を話し、教育水準も高く、それでいて安価な人材が、EU域内の他の場所で見つかるからです。大手の日系企業は、すでにヨーロッパ全域にわたる管理構造を構築していて、様々なチームが数か国に点在しています。これは、チーム全員が物理的に机を並べて一緒に働く状況に慣れている日本人社員にとっては非常に困難です。日系企業は、コミュニケーション手段を使ってディスカッションを行い意思決定を下すためのプロセスを確立し、なおも出張予算を多めに確保する必要があるでしょう。

2つ目の結論は、ヨーロッパが今も現実主義者と原理原則主義者の2グループに分かれているということです。現実主義者は、昔からの貿易国、例えばイギリス、オランダ、デンマークなどに多く、ステップ・バイ・ステップで交渉し、ひとつずつ妥協点を確立していく傾向にあります。日系企業であれば、情報をすべて入手して、決定を下す前にリスクをすべて知っておきたいと考えるところでしょう。原理原則を重んじる国は、フランスやドイツなどで、現実主義者と衝突します。重要な原則と考える点(人の移動の自由がこれに該当します)について妥協することや、いったん決めたルールから逸脱することを拒否するからです。

ゆえにEUは、あまりにもしばしばプロセスやディスカッションの途中でつかえてしまい、現実離れした官僚的な組織、一般市民にとっては腐敗しているとすら見られる組織になりました。企業にとっては、ここから学ぶべき教訓がさらに2つあります。ひとつは、ヨーロッパに今後何が起こるとしても、イギリス人は経営陣のなかでフランス人やドイツ人とのバランスを取る作用をもたらすことです。現実的な問題解決を望むのであれば、これは重要かもしれません。そしてもうひとつは、経営陣があまりにも内向きになってはならないということです。内向きすぎる経営陣は、ビジョンを全社員に伝えられなくなるでしょう。

この記事はパニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」に出てます。Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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