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M&A

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Category: M&A

技術とサービス

イギリス赴任は2度目という2人の日本人駐在員に、10年ほど前の前回の駐在時と比べてイギリスのどこが変わったと思うかを尋ねてみました。すると驚いたことに、2人とも、カスタマーサービスが良くなったと言ったのです。

これを聞いて、私は最初、レストランのウェイターや小売店の店員として働く東欧からの移民が格段に増えたせいかなと感じました。東欧出身の人々は、かつてイギリスで普通と考えられていたレベルをはるかに上回る情熱と能率で、こうした仕事をこなしているからです。

でも、よく話してみて、自分の最近の体験もあらためて考えてみた結果、駐在員の言っているサービスの改善は、サービス業に就く人の文化的なマインドセットというよりは、むしろ技術によるところが大きいことに気付きました「家で修理が必要になって人を手配すると、そのとおりにやって来る」と、駐在員の一人は言いました。実際、かつてはこういう確かさはありませんでした。修理人を待って一日仕事を休む羽目になり、遅れの理由を説明する電話ひとつないことも当たり前でした。

私も最近、洗濯機を買った際に、オンラインで注文して配達の日にちと時間枠を選ぼうとしたところ、夜9時まで配達の時間枠が設けられているのに驚かされました。注文後は店からメールとテキストメッセージ(SMS)のリマインダが何度も届き、時間を変更するオプションも提供してきました。配達当日にテキストメッセージが何度か配信され、1時間以内の正確さで到着時刻を予告してくるのもごく普通です。配達の人が何らかのGPS機器を持っていて、効率の良いルートを計画し、途中経過をアップデートしているのです。オフィスのスタッフも、彼らの現在地を把握して、サポートを提供することができます。

また、これは先週のことでしたが、アマゾンで注文した商品が届いていないことに気付いて「call me」というボタンをクリックしてみたところ、1秒以内に私の携帯が鳴り、(インドのコールセンターからと思われる担当者が)あらためて翌日発送で商品を手配してくれました。

この種のサービスは他の国でも提供されていることと思いますが、様々な調査によると、イギリス人は世界で最もオンラインショッピングを愛用している国民のようです。マッキンゼーの調べでは、インターネット普及率はヨーロッパより米国のほうが高いにもかかわらず、ヨーロッパの人のほうがアメリカ人よりデジタルの購入チャネルやバンキング・サービスを好む確率がはるかに高いことが分かりました。

イギリス経済に占めるサービス業の構成比は今や80%ですから、イギリスがサービス提供のあり方を改善したとしても驚きではないのかもしれません。日本企業にとっては、EU離脱があるとはいえ、イギリスのサービス業界の企業はなおも魅力的な投資機会です。技術を手に入れ、かつ世界の他の国のバーチャル市場を開拓するチャンスをつかめるからです。日本からイギリスへの最近の投資案件が、ソフトバンクのARM買収、あいおいニッセイ同和損保のInsure The Box買収など、技術主体のサービス業に集中していることは、注目に値します。

Pernille Rudlinによるこの記事は帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

パニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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グローバル標準のためにプライドを抑えることも必要

日本企業に買収されたヨーロッパ企業の上級幹部から不満の声を聞きました。ヨーロッパがあたかも同質な1つの国であるかのように扱われているというのです。その会社は、非常に異なるヨーロッパの5か国にオフィスを有していて、地域本部はドイツにあります。「確かにヨーロッパの人は、お互いへの接し方を心得ているかもしれません。何百年も前から一緒に暮らし、働いてきたのは事実です。でも、ヨーロッパ、北米、アジアという3地域の構造を取っていることが不思議に思えるのです。北米には社員が2人しかおらず、アジアには地域本部がなくて、台湾、中国、韓国、日本が別々に経営されています」。

この会社は小さな会社でしたが、同様の状況は、はるかに大きな日本の多国籍企業の多くで見られます。不満の背景には、ヨーロッパの人が「地位」に敏感であることがあるかもしれません。つまり、他の地域と同じように扱われたい、ヨーロッパが1つの地域なのであればアジアも1つの地域であるという考えです。

しかし、もっともな懸念も作用しています。それは、製品やサービスをグローバルに提供するのであれば、会社自体がバランスの取れたグローバルな構造を持ち、共通のプラットフォームやシステム、プロセスに則らなければならないという考えです。買収を通じて成長する企業は、国によって非常に異なる製品とサービスを持つことになりがちです。業務のプロセスやシステムも異なれば、グローバルな事業に寄与している各地域が売上高と経費をどう共有するかについても明確な理解が存在しないことが多いのです。

これは非常に大きな、長期にわたる論争を招く可能性があります。事業と生産工程と技術を標準化するというのは、お互いに絡み合った問題だからです。どの製品とサービスがグローバルで、どれがローカルかをひとたび決めれば、売上高を分担するための基礎ができます。しかし、この結果として各地域が旨みの大きいローカルの事業ばかりに重点を置き、グローバルな契約への参加を拒んだりしないよう、注意する必要があります。

グローバルに提供するものが決まれば、技術を標準化できるようになります。すべてのウェブサイトを同じコンテンツ・マネジメント・システムで動作させ、製品を同じプラットフォームで生産し、グローバルな会計システムを使って販売や調達を記録するといったことです。

日本企業は、スピードと効率を重視するため、時にはプライドを抑えなければならないでしょう。野村證券がリーマン・ブラザーズを買収した際、取引プラットフォームをリーマンのプラットフォームに移行すると決定したのは印象的でした。リーマンのプラットフォームのほうが技術的に優れていて、2つのプラットフォームを統合したり日本のシステムに全員を移行したりするよりも速かったためです。

このような問題にかかわりたいと思う人は誰もいません。あまりにも複雑で、内部闘争を招きかねないうえ、グローバル標準が自分の国ではうまく行かないと主張する人から抵抗を受けるのが目に見えているからです。でも残念ながら、買収後すぐにこれらの問題に対応しておかないと、わだかまりが増殖して、解決はますます困難になるでしょう。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2015年11月11日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

パニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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社内コミュニケーションの重要なツール

日本企業や日系企業にサービスを提供している会社にとって、日本企業による買収の波が続いていることが、現時点で唯一の新規事業開拓の機会のように見受けられます。日本の国内市場が飽和した成熟状態にあるうえ、国外の優良企業が安価に買収されている現状を見れば、日本企業が再生と成長の方法として買収を選ぶのは驚きではありません。

欧米企業も、アジア企業に保有されることを受け入れるようになっています。アングロサクソン流の資本主義が引き起こす破壊に疲弊した欧米企業の間では、短期的な株主重視の経営ではなく、より長期的にステークホルダーを重視する姿勢を見直す時なのではないかとする議論が渦巻いています。

もちろん、この議論は以前にも行われたことがあります。1980年代に日本経済が躍進した時代には、日本的な価値観が脚光を浴びました。終身雇用、集団志向、長期的な観点、利益よりも成長を追求する姿勢などです。しかし、1990年代には、その同じ価値観が日本経済の低迷の原因とされました。現在の資本主義の形態に代わるものが本当に必要なのかどうか、儒教的な資本主義がベストの代替なのかどうかの議論は、間違いなく今後も続けられるでしょう。

しかし、その議論が続く間にも、外国企業を買収した日本企業は、独特な日本の企業文化や価値観を適応させるべきかどうか、どのように適応させるべきかという問いへの答えを見つけなければなりません。

とはいえ、選んだ道にかかわらず、多くの日本企業は、重要なツールを使わないがために失敗してきました。そのツールとは、社内コミュニケーションです。その例をひとつ挙げましょう。日本企業に買収されて2か月というイギリス企業でセミナーを開催した時のことです。ある参加者がセミナー終了後に私のところにやってきて、目に涙を浮かべながらお礼を言ってくれました。買収された後、何が起こっているかを深いレベルで説明してくれた人が今まで一人もいなかったというのです。彼女のチームメンバーは、まるで暗闇に置き去りにされたように感じていました。

また、別の会社で開催したセミナーのある参加者は、現地法人の社員がイギリスの業界誌で報じられたニュースを読んで自分たちの会社に関する重要な情報を知ったことがあったと話してくれました。

情報が共有されないことについて日系企業に勤務しているヨーロッパの社員が不満をこぼすのを、私は今まで幾度となく耳にしてきました。日本の同僚に情報を求めたかどうかを聞くと、たいていは求めておらず、向こうから情報を共有してきてくれるものと期待していたという答えが返ってきます。

日本企業の多くは、社内コミュニケーションの部署を有していません。社内広報の責任者から、新しい日本の親会社に自分と同じ役割の人がいないという話をされたこともあります。日本の会社には、「以心伝心」のような伝統的なやり方で社員が会社の戦略や文化を理解していくと考える節があります。もちろん、こうした考え方は、日本で勤務していない社員や日本語を話さない社員には通用しません。にもかかわらず、当たり障りのない社内文書ですら、英語に翻訳すれば重要な企業秘密が漏えいするという恐怖心があるように見受けられます。

会社の価値観や戦略を理解する作業を意図的に社員任せにしておくことが、それ自体、会社の価値観になっているのです。このことをひとたび理解すれば、私もその考え方には賛同できる部分があります。社員を大人扱いしていることを意味するからです。とはいえ、どんなに逆説的であれ、日本企業がグローバル化するなかでこの価値観を守りたいと思うのであれば、それを明示的にコミュニケーションする必要があります。

この記事はパニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」に出てます。Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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