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日本関連の会社がヨーロッパで人材採用する際の落とし穴

私の会社の事業が十分に成長したためサポートしてくれる人を雇う必要が生じたという話を、以前の記事でお話ししました。それから3か月になりますが、実は誰も採用できていません。
その理由を自己分析して次の方策を考えようとしたところで、あることに気が付きました。それは、ヨーロッパで事業展開する日本企業が陥りがちな落とし穴に、私自身もはまりそうになっているということでした。

まず最初の落とし穴は、採用候補者のスキルや自分の事業上のニーズを慎重に検討せず、日本語を話せる人に惹かれてしまっているという点です。イギリスでは、日本語を話せる人を見つけるのは難しいことではありません。イギリスに住んでいる日本人は現在3~5万人いて、多くは学生や駐在員ですが、定住者もいて、しばしばイギリス人と結婚しています。

さらに、「語学指導等を行う外国青年招致事業」、通称JETプログラムの経験者が結成している協会のイギリス支部には約6,000人の所属メンバーがいます。イギリス人または英語を母国語とする他の国の出身者で、日本で1~3年、時にはそれ以上にわたって働いた経験があり、通常は学校や自治体政府での経験を有しています。この経験を通じてほとんどの人が日本を好きになり、その結果、日本とのかかわりを持ち続け、日本語力を生かせるキャリアを追求したいと考えています。

2つ目の落とし穴は、日本人(たいていは女性)やJET経験者を一般的な事務職に雇おうとしている点です。職種の定義がどことなくあいまいで、受付から人事、翻訳まで、あらゆることをこなす仕事です。これは、両方にとって不満の原因となることが多々あります。日本人の女性は、格下のOLのように処遇されているのではないかと疑念を抱くようになります。そして、残業や下働き風の仕事を頼まれることについてイギリス人の配偶者に不満を言うと、それなら雇用主に抗議すべきだとけしかけられることがしばしばあります。

JET経験者の場合は、ステップアップするキャリアパスや専門職者として能力開発する機会がないのではないかと不安に感じ始めます。そのような立場の人からどうすべきかと相談を持ちかけられることも多々ありますが、私がいつもアドバイスするのは、法務や経理など自分に合っていると思える職業をまず見つけて、そこから日本とかかわる方法を見つけるべきだというものです。

どちらの場合も、明確な職務記述書を作成し、適切な契約を交わすことで、ある程度の失望は回避することができます。また日本企業は、どのような発展性がある職種かについて、両者が持つべき期待を現実的かつオープンに話す必要があります。可能であれば、必要に応じて研修を提供したり支援したりするなどして、社員のキャリアが進展するごとに職務記述書も改訂すべきです。

さて、私の場合は、必要としているサポート的なスキルをもっと明確にする必要がありそうです。主な仕事は、請求書の発行とその集金、サプライヤへの支払い、そしていくらかの経営管理的な経理(キャッシュフロー予測など)です。この内容であれば、日本語が話せる必要はありません。とはいえ、同じような興味を持った人と一緒に働ければ、そのほうが楽しいことは間違いありませんが。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2013年12月1日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

パニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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日本の終身雇用と年功上列とヨーロッパの人事制度

日本企業に最近買収された在イギリス多国籍企業の人事部長が、ショックを受けた話としてこんな体験談をしてくれました。イギリスに駐在員として赴任するこ とになった日本人マネージャー数人に対する社用車の割り当て方法について日本の本社に質問したところ、回答としてマネージャーの名前と年齢だけが返ってき たというのです。

もちろん、日本企業の年功序列に基づく給与と福利厚生制度のことを知っていれば、至極当然の回答です。でも、ヨーロッパの企業では、給与や福利厚生は仕事 上の役割に基づいています。どの階級でどんな仕事をしているかであって、年齢や勤続年数に注意が払われることはほとんどありません。

私の取引先である在ヨーロッパ日系企業のほとんどは、現地の慣習に合った給与と福利厚生の制度を導入しています。でも、日本の人事制度がヨーロッパの社員に影響を及ぼす側面は、駐在員の社用車の等級に限らず、いくつか存在します。

例えば、終身雇用の文化や、会社が社員の面倒を見なければならないという意識です。日本人であれ外国人であれ、日本企業は会社に対する貢献度がきわめて低 い社員ですら解雇に消極的だということに、多くの人が気付くようになりました。この思いやりある姿勢にはヨーロッパの人も同情する一方で、パフォーマンス 管理をやりにくくするという声もあります。成績の悪い社員の存在がいつまでも許されていれば、他の社員のやる気を損ねるからです。

また、日本の人事制度の特異性が国境を越えた人事異動の障害になるという側面もあります。日立が最近、年齢に基づく管理職の給与の設定方法を廃止すると発 表しましたが、その背景にはこの理由があったと言われています。日系以外の多国籍企業のほとんどは、社内公募制度を導入して、世界のどの国であれ社員が社 内求人に応募できるようにしようとしています。これを受けて、詳細な職務記述書だけでなく、統一的な等級制度も必要になります。社員が自分の等級に適した 仕事がどれかを見極められるようにするためです。

日本からの駐在員が、役割に見合った資格とスキルと経験を有しているかどうかとは無関係に、その役職に就いているように見えることは、ヨーロッパの人には非常に不可解です。

私が日本の企業に対して希望するのは、外国勤務の現地社員をもっと日本の本社に送ることです。日立は、過去2年かけて全世界の社員のデータベースを構築し てきました。これはおそらく、日本からだけでなく世界中で社員の異動を可能にする統一的なシステムを持ちたいと思っていることの表れでしょう。そして、そ のような国際的な人事異動は、職能に基づいて決定するのであって、個人的な能力開発のニーズや「誰の番か」だけで決定するのではないようにしたいという意 思の表れなのではないかと、私は思っています。

ただし、日立の目指す方向性を他の日本企業が追随し、グローバル化の道を歩むようになるとしても、社員への思いやりや忠誠は失わないでほしいと思います。 日本企業での勤務にフラストレーションが伴うことは事実ながらも、ヨーロッパの人はなおも日本企業のもたらす長期的な雇用の安定性を好んでいるからです。

Pernille Rudlin著 帝国ニュースより

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ヨーロッパの社員の休暇

日本政府が提案した、有給休暇の取得日を会社が社員に対して指定するという労働基準法の改正案は、ヨーロッパのメディアでも注目をあつめました。日本人の 社員は、長時間勤務をはじめとする熱心な働きぶりで高く評価されています。しかし、その一方で、ヨーロッパ、とくにドイツ人のマネージャーの多くは、残業 が多いと管理の仕方が悪い証でもあると懸念し、また社員が休暇をとってリフレッシュしなければ健康や安全上の問題につながりかねないことを心配します。

ヨーロッパの人は、日本人やアメリカ人に比べ、与えられた休暇をフルに取ろうとする傾向にあります。EUの法律では、加盟28カ国すべてに対して、最低でも年に4週間の休暇をすべての社員に法律で認めるよう義務づけています。その実地状況は国によってまちまちです。

国ごとで異なる休暇規制と取得状況

フ ランスや北欧諸国は、ヨーロッパで最も休暇日数が多いことで知られています。ある調査によると、フランス人は法律で認められた30日(これは土曜日が含ま れます)の休暇をフルに取得していると報告されました。また、週35時間以上働く場合は、その見返りとして休暇をさらに最大22日まで追加することができ ます。

北欧諸国の休暇日数は25日~30日ですが、6月初旬から8月中旬まではほぼ全面的に夏休みとなり、ほとんどの家族連れは夏の間中、海辺や島のバケーションへと雲散霧消します。

ドイツでは、国が義務付けている最低24日の休暇のほかに、州ごとに規制があります。各州が追加の公休日を別途決めていて、学校の休みも州ごとに決められているためです。

私たちイギリス人は、ヨーロッパの中で自分たちが最も仕事熱心だと考えています。法律では28日の休暇が保証されていますが、これには祝日が含まれ、たいていの企業は8日か9日の祝日に加えて25日の休暇を提供しています。最近、さまざまな福利厚生のメニューを提供するのがイギリス企業の間のトレンドとなっていて、これに有給休暇を売り買いするオプションなどが含まれています。使わなかった休暇は翌年に繰り越すこともできますが、繰り越せる日数は通常、上限があります。

イギリスの学校の夏休みは北欧諸国に比べてはるかに短く,またヨーロッパでは、米国のように夏休みに子供を泊まりがけのキャンプに参加させる習慣があまり一般的ではありません。このため親たちは、夏の間に少なくとも2週間の休暇を取得して、子供と一緒にバケーションを過ごせることを期待しています。

このため、欧州全域にわたる事業やチームを管理している場合は、あちこちの国で社員が前々から休暇を申請できるようにするメカニズムを導入する必要があります。夏休みのピークにも仕事をカバーする十分なスタッフを確保できるようにするためです。また、最近では、休暇中もスマートフォンで仕事のメールをチェックする生真面目な社員がいることに懸念を上がりました。この点については、ダイムラーが最近、休暇中の社員が確実にリラックスできるように計らいとして、休みの間はメールを自動的に削除するシステムを導入して話題になりました。

Pernille Rudlin著 帝国ニュースより

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日本企業はブランドを磨く必要はあるが、イメージはすべてというわけでもない

グローバル・ブランドのトップ100ランキングの調査が最近発表されましたが、今回もまた日本企業は、売上高と日本経済の規模には見合わない、振るわない 結果となりました。ブランドの価値をどのように測定するかは、もちろん意見の分かれるところです。ブランド価値の測定とは多くの場合、ブランドの買収金額 がいくらになるかを数量化する試みです。会社の価値から引き出した何らかの数値を基に、他の資産をすべて引き算して、それと同時に消費者による定性的な評 価を行います。

このリストに入らなかった日本企業のなかには、調査対象が日本人であったならトップ近くにランクインしたであろう企業が含まれています。ただし、それでも なお、そのブランドに付けられる金銭的な価値は欧米企業のようには高くならないのではないかと、私は考えています。その理由は、日本企業が利益をあまり重 視しておらず、「ブランディング」もさほど重要と考えていないことです。

日本企業のエグゼクティブと話すと、「ブランド」とは主にロゴやイメージなどのビジュアル・アイデンティティと広告のことだと見なしている様子が分かります。

日本企業がグローバルに競争するには、欧米の顧客が優良ブランドに何を期待しているかを、もっと理解しなければならないでしょう。しかし、ブランドにとらわれすぎることにも危険性があります。うぬぼれの一種のようになってしまい、コラボレーションを妨げる危険性です。

NTTドコモが「iモード」を導入して10年以上になります。このサービスによって日本は、米国も含めて世界のどの国よりもはるかに進んだ国になりまし た。高機能な携帯電話を手にしたユーザーが、インターネットからアプリやコンテンツを購入するという側面においてです。世界の他の国は、どうすれば日本の 成功を真似できるかを画策しました。日本以外でこの現象を再現するのは不可能だと憶測した人もたくさんいました。日本の消費者や社会に特有の文化が、この コンセプトを可能にしていると考えたためです。しかし今、iPhoneや他のモバイル技術が世界的に成功しているのを見るにつけ、その術さえ与えられれば 世界中の消費者が携帯電話のアプリやコンテンツを買うことは疑いの余地がありません。

他の国が日本に追いつくのにこれだけ時間がかかったということなのだと、私は考えています。日本以外の電話会社や携帯電話メーカーは、ブランドの利益を守 ることに躍起になっていて、日本でドコモが構築したような互恵的なサプライチェーンの生態系を再現することができなかったのだと思うのです。

携帯電話のアプリを開発しているイギリス企業のサポート役として2002年に日本へ出張したことがありましたが、その時ドコモは、自社の提供アプリが作り 出している一定のイメージを自負しようとはしていませんでした。うちは単なる電話会社ですから、と言ったのです。そして、アプリについては開発会社に聞い てくれという姿勢でした。そこで開発会社を訪ねると、その担当者らは、携帯電話メーカーが搭載してくる機能に合わせてアプリを提供しているだけだと言いま した。そして、そのメーカーは、電話会社に製品を納入している一サプライヤにすぎないと言ったのです。

クラウド・コンピューティングとネットワーク社会の時代となった今、日本企業は、米国のオンライン大手、アマゾンやグーグルなどとどうすれば競争できるか を模索しています。グローバル・ブランドの強化は、確かにその一助になるでしょう。でも、多くの日本企業が有しているブランドの重要な要素が、うぬぼれに 陥らずにコラボレーションする能力であるという事実も、見失うべきではありません。

パニラ・ラドリン著 - 日経Weeklyより

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取締役会の多様性

イギリスのメディアはここ最近、日本のビジネスの話題を盛んに取り上げてきました。日本で6月1日に「企業統治原則」の適用が開始されたためです。企業統治はイギリスで今もホットなトピックです。23年前に「キャドバリー・レポート」で今の日本の原則と同様の勧告が打ち出され、以来、EUや米国の規制に大きく影響してきました。

イギリス企業の取締役会では社外取締役がいるのが普通になりましたが、多様性がないという懸念は今も払拭できていません。「オールド・ボーイズ・ネットワーク」と呼ばれるものが、取締役の指名においては作用しています。自分と似た人を雇いたいと思うのは、人間の自然な本能です。その結果、公募をせずに人脈を通じて多くの指名が行われています。

企業統治をめぐる別の勧告に、2011年に発行された「デービス・レポート」があります。このレポートでは、FTSE100銘柄の企業に対して2015年までに女性取締役の割合を25%とすること、FTSE350銘柄の企業に対して2013年と2015年時点の女性取締役の割合の目標値を出すことを求めました。今年3月に発行された最新の年次報告書によると、執行幹部以外のポストや社外取締役では女性の割合が増えていますが、社内取締役の割合は依然としてきわめて低い状態です(FTSE250銘柄の企業で4.6%)。

オールド・ボーイズ・ネットワークに加えて、取締役会は、業界で高い実績がある人や財務を専門とする人を指名したがる傾向にあります。けれども女性は、ジェネラリスト的なキャリアを積んできたか、人事やマーケティングの専門家であることが多いのです。IT、金融、エンジニアリングといった、これまで伝統的に男性社会だった業界では、高い地位に上り詰める女性が今も欠如しています。

様々な専門性やバックグラウンドを取り込んで取締役会の多様性を実現するそもそもの目的は、取締役会での議論を活性化して情報の透明性を高めることにあります。それによって企業統治、革新性、リスク管理が向上すると考えられるためです。会社や業界のことを熟知していない人に物事を説明しなければならない状況に置かれることで、不注意な思い込みを発見し、新鮮な見方を持てるようになる可能性があります。

イギリスで事業展開する金融・保険業界の日系企業は、最近、金融規制当局であるPRA(プルーデンス規制機構)から厳しい目を向けられています。PRAは、業界企業で指名される取締役を面接して承認する権限を有しており、また「ボード・パック」と呼ばれる取締役向けの一連の文書や取締役会の議事録を確認する権限も持っています。

最近指名された日本人の取締役は、PRAが尋ねる標準的な質問に答えるのに苦労しました。それは、「なぜこの役職に就くことにしたのですか」という質問です。単に日本の本社から取締役になるよう言われたため、というのが現実だからです。イギリスで行われる取締役会のミーティングは、基本的に事前の根回しで決まっていることを確認するだけの内容です。このため、ボード・パックや議事録はほとんどなく、しかも日本語です。

日本で取締役会の多様性が高まるのに伴って、日本企業がもっと多くの情報を開示し、意思決定の透明性を向上させることが望まれます。そうすれば、海外子会社の取締役会もうまく機能するようになるでしょう。

Pernille Rudlinによるこの記事は、2015年7月8日の帝国データバンクニュースに日本語で最初に掲載されました

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専門知識と経験のある社員の雇用

日系物流企業の駐在員のマネジャーから、イギリスの物流は日本より進んでいると思っていたと最近聞き、意外に思いました。私は90年代のおわりの4 年間、日本に働いていましたが、帰国した当初、日本の宅配便のようなサービスに大きいな商機があると思ったのです。当時ロンドンのアパートに住んでいまし たが、19世紀に造られた狭い路地を巨大なコンテナ車が恐る恐る通行して小さな肘掛椅子一脚を配達しに来た時、これを実感しました。日本なら、はるかに小 さなバンで配達し、所要時間もずっと短かったことでしょう。私が日がな1日、家で配達を待つ必要もなかったはずです。

オンラインショッピングが人気を博し(イギリスはヨーロッパで最大のオンラインショッピング市場となています)、また郵便が自由化されたのを受けて、イギ リスにもMyHermesをはじめとする宅配便のようなサービスが登場しました。荷物を発送する際は自宅に引き取りに来てくれて、オンラインで翌日引き取 りの時間帯を指定できるうえ、重たい荷物の場合は送料も郵便局に持っていくより格安です。

日本の宅配便でも同様のサービスがあるはずですから、日本の物流会社のマネジャーが言っていたのは大規模運送、例えばヨーロッパ全土に大量の自動車部品を運送するといった類の物流サービスを指していたと思われます。

イギリスには物流の資格が存在し、物流学で大学の学位をとることもできますが、そのマネジャーの会社に勤めるイギリス人社員は皆、物流の専門知識は教室で 最新の理論を学ぶのではなく、実務を通じて培っていくものだと考えています。つまり、オン・ザ・ジョブ・トレーニングを重視していて、いわば日本の見習い 式のアプローチに賛同していることを意味します。

この日本のマネジャーいわく、彼の会社の社員はほとんどが生粋のイギリス人です。私がイギリスで研修の講師を務めている金融業界や通商業界の日系企業で は、社員の半数以上がイギリス以外の国籍者です。こうした会社では、学習姿勢や学習能力のほうが、現地市場の知識やスキル、経験よりも重要かもしれませ ん。でも、物流をはじめ、エンジニアリングなど熟練を要するほかの伝統的な業界では、これから育てる人よりも、経験からくる現地市場の理解や専門知識やス キルを持っている人のほうが採用候補者として魅力的に見えるものです。

専門知識・スキルを持つ人材の獲得
ただし、そうした人材は、イギリスのみならず他のヨーロッパでも簡単には見つかりません。一方で若年層の失業率は相変わらず高く、体を使う仕事やオフィス 勤務以外の仕事に就く気持ちはあっても、研究を受けたことがない、経験がないという若者は、安定した仕事を見つけられずにいるのです。

こうした現状をかんがえると、日立の鉄道システム事業部が他者と手を組んで、イングランド北部ユニバーシティ・テクニカル・カレッジを新設したというもの頷ける話です。そうでもしない限り、近くにある日産から社員を引き抜かなければならなくなると思ったのでしょう。

Pernille Rudlin著 帝国ニュースより

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世界の最大の社会人SNS, LinkedIn

パナソニック、三菱地所レジデンス、楽天がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のLinkedInをヨーロッパほか日本国外での人材採用に 活用するという話を、日経新聞で読みました。LinkedInは、世界最大の社会人向けSNSです。本社はカリフォルニア州にあり、世界中で2億 7,000万人以上のユーザーを有しています。人材を見つけて引き付けるうえで効果的な方法であることは間違いありません。

私自身は10年以上前からこのサイトを使っていますが、仕事を見つけるためではなく、在ヨーロッパの日系企業に勤める社員の連絡先を見つけたり調べたりす るのが目的です。ただし、日本人社員や日系企業は概してLinkedInをあまりアクティブに使用していません。日本語バージョンも開設されていて、東京 にも2011年以来オフィスが置かれているにもかかわらずです。

その理由は主にLinkedInが中途採用や転職のために使われていて、それ自体が日本ではまだあまり主流ではないからだろうと思います。実際、ヨーロッ パでも、自分のスキルや経験を公開して、いかにも「就活中」のように見えてしまうことを嫌う人はたくさんいます。私が見たところでは、イギリス人とオラン ダ人はあまり抵抗感がないようですが、プライバシーを気にする(そしておそらくは英語でのコミュニケーションがあまり得意でない)ドイツ人とフランス人は やや消極的です。

私の知り合いのドイツ人の多くは、ドイツのSNSのXingを使っています。とはいえ、ヨーロッパの人(さらにはトルコなどの新興市場にある多国籍企業に勤める人)はみんなLinkedInのことを知っていますので、転職を模索する際にはチェックするでしょう。

つまり、雇用主にしてみれば、スキルや経験に基づいて人材を探すだけでなく、魅力的な会社であると訴求するうえでも良いツールになるということです。

LinkedInに自社のページを開設しようとする日系企業は、まず第一に「公式」ページであることをはっきりとさせる必要があります(個人が運営してい るOB・OGのページなどと区別するためです)。そして、社員が自分のLinkedInのプロフィールを会社の公式ページにリンクするよう奨励します。

ほとんどの場合、日系企業のページはすでに複数存在していることでしょう。これらを整理して、本社のページや各地にあるグループ会社のページなどをそれぞ れ明確に示す必要があります。各地のグループ会社のページと本社のページを相互にリンクして、1つのグループであることを示すことができます。

これらの公式ページは、本社および各地の子会社のマーケティングまたは人事担当者が管理すべきです。会社の規模や事業内容などを含んだ紹介文を作成して、 さらに自社のウェブサイトへのリンクも表示します。また、会社のイメージを反映した魅力的な視覚要素を使って「ブランド」を統一し、製品やサービスの説 明、新着情報やニュースも追加して、使いやすく見せる必要があります。

会社のページが正しく運営されれば、「フォロー」する人が瞬く間に増え、新たな人材を引き付けるのに役立ちます。そればかりか、既存の社員も自分の会社が LinkedInで明確かつ魅力的なメッセージを訴求していることに共感して、今までよりもずっと満足度や忠誠度を高めてくれることでしょう。

(帝国ニューズ・2014年4月9日・パニラ・ラドリン著)

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日系企業の欧州本社はどこへ

最近、弊社の顧客データベースをクラウド・ベースのサービスプロバイダに移行したことで、LinkedInなどのソーシャル・ネットワークとクロス検証できるようになりました。この更新作業を通じて、日系企業の顧客が欧州でどのように組織を編成し、どこに本社を設置しているかに注目してみました。

私の分析は決して統計的なものではありません。また、私自身がイギリスで勤務しているため、イギリス拠点の企業が多いと思います。それを考慮しても、日系企業の欧州本社はイギリスに最も多く、先のデータベースで本社企業96社の例を挙げると、イギリス(53社)、ドイツ(24社)、オランダ(10社)、ベルギー(5社)、フランス(2社)、スイスとポーランド(各1社)と続きます。

もちろん、欧州本社を設置しない日系企業も多数ありますが、欧州で長く事業を展開してきた企業は、財務や調達系の業務や人的資源を欧州に統合する傾向にあります。この流れはイギリスにとっても優位に働いており、ビッグバン以降のロンドンは、金融のみならず、マーケティング・法務・コンサルティングや人材面において確実に欧州のトップ、あるいは世界でも有数なサービスレベルを誇ります。

古くからイギリスは日本からの直接投資を受けてきました。英語、ゴルフ、開放経済などの影響など、その理由は多々あります。一方、ドイツも人気の地で、特に技術系の会社は、ドイツ流のプロセス志向とリスク回避体質に親近感を感じています。また、富士通とシーメンス、デンソーとボッシュのような提携が古くからあったこともプラス要因で、なかでもノルトライン・ヴェストファーレン州は、60年代から日系企業を積極的に誘致してきました。例外的にソニーは当初、ベルリンに拠点を開設しましたが、これは、初代社長の大賀典雄氏がベルリン国立芸術大学を卒業したことから、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団に近い場所を選んだと噂されています。

また、近年ではオランダも人気の拠点国となりました。優遇税制に加え、ベルギーと同様に欧州の物流拠点であることが、その理由です。ただし最近は、これら本社はイギリスに拠点を移す傾向にあるように見えます。キヤノンは、オランダからロンドン近郊のアックスブリッジへ移転しました。最近ボッシュとの資本関係を解消したデンソーも、本社は今もオランダにありますが、欧州事業のキーマンはイギリスをベースに活動していると見受けられます。2009年にシーメンスと袂を分けた富士通の欧州事業は現在、欧州大陸、ノルディック、イギリスとアイルランドの3つに分散しています。

ソニーはベルリンの本社ビルを2008年に売却し、現在は欧州全域の営業・マーケティング業務をロンドン南西のウェイブリッジに統合しつつあります。ただし、ソニーの場合は、欧州の組織を「バーチャル」構造にしようとしているようです。人事の共通業務部門は現在トルコにあり、欧州事業の上級幹部は、各自の希望で拠点を選ぶそうです。この流れは、NTTデータをはじめ情報通信業界の他企業でも顕著に見られます。

このような欧州組織のバーチャル化も、イギリス経済に多大な恩恵をもたらします。あらゆる国籍の上級幹部が、ロンドンとその近郊に住んでいるか、住んでも良いと考えているからです。人口の40%以上が非イギリス出身者で占められているロンドンは、真に世界の首都、グローバルなキャリア発展の地となっているのです。

(帝国ニューズ・2013年4月10日・パニラ・ラドリン著)

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プレス・リリースだけではないPRのニーズ

米 国のPR会社、バーソン・マーステラのロンドン・オフィスで新卒トレイニー1期生になることを私が決心してから、ほぼ25年になります。当時バーソン・ マーステラは、ヨーロッパで電通との様々な合弁事業を開始していました。それが私には、日本への興味とコミュニケーション・スキルを生かして日本企業をサ ポートするチャンスと思えたのです。ヨーロッパに進出してくる日本企業は、それ以前の10年にわたって増え続けていました。

当時ヨーロッパのPR業界はほとんどが元ジャーナリストで占められていて、業務の中心は、プレスリリースを作成すること、それにジャーナリストを接待して 好意的な記事を書いてくれるよう関係を作ることでした。ただし、変化の兆しはありました。バーソン・マーステラのような大手が新卒者を採用して「コミュニ ケーションのプロ」を育てようとしていたのも、そこに理由がありました。

1980年代後半、ロンドンでは投資銀行や株式市場に「ビッグバン」と呼ばれる大改革が実施されて、様々な官営業界が民営化されつつありました。私は企業 PRチームに配属され、ブリティッシュ・ガス(後のセントリカ)と、株式上場を検討中の住宅金融組合の担当になりました。

どちらの会社も、ステークホルダーに向けたコミュニケーションという新たなニーズに迫られていました。このステークホルダーには、新しい株主だけでなく、 事業展開地の地元コミュニティも含まれていました。国有企業や協同組合でなくなっても信頼の置ける会社だということをアピールしなければなりませんでし た。また、イメージを洗練させて高学歴者を引き付ける必要もありました。

ヨーロッパの日本企業は、これと同様のニーズを抱えています。当時から今に至るまで変わらないニーズですが、残念ながら過去25年の進歩はあまりないよう に見受けられます。日本では有名なのにヨーロッパではほとんど、あるいはまったく無名の会社が、あまりにもたくさんあります。何をしている会社なのか、良 きコーポレート・シチズンなのかどうかが、まるで知られていないのです。

25年前の電通の合弁事業は成果を上げませんでしたが、でも今になって、電通は自らヨーロッパ企業を買収しています。他の日本のPR会社や広告会社も、欧州事業を強化し始めているのが分かります。
日本企業は、外国投資家を満足させるだけでなく、特にインフラ・プロジェクトで成功しようとするのであれば、地元コミュニティに情報を提供して歓迎され、また現地新卒者の間で働きたい会社と見なされなければなりません。

これは日本だけの問題ではありません。私は最近、シーメンスが発注したと思われる調査の回答者になりましたが、質問の内容は、シーメンスが1843年以来 イギリスで事業展開し、イギリス最大の新卒者採用企業の1社であり、イギリス国内に12の工場を有して、ありとあらゆるエネルギー・インフラ関連のサステ ナビリティ・プロジェクトに参加していることを知っているかどうかを問うものでした。恥ずかしながら私は知りませんでしたが、シーメンスが比較対象にした 競合他社に私のかつてのクライアント、セントリカが含まれていたことには興味を引かれずにはいられませんでした。

Pernille Rudlin著 帝国ニュースより

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ヨーロッパでは「討論」がとても重要

フランス人のマネージャーから最近こんな不満を聞きました。彼の会社の欧州本社はオランダにあるのですが、そのマネジメントチームの会議に出席すると、出席者は大半が日本人の在オランダ駐在員で、彼が発言するまでもなく、すでに決定が下されているのだそうです。

このような不満は、私たちがヨーロッパの日系企業とかかわってきた過去12年の間にも何度となく耳にしてきました。日系企業で現地採用社員が増え、ヨーロッパ出身者が高い役職に就くようになったのを受けて、状況が改善することを私は望んでいましたが、実際には現地採用管理職と駐在員管理職のコミュニケーションギャップは広がっているように見えます。現地採用の管理職者は、日本の本社で下される意思決定から阻害されていると感じています。

私はヨーロッパ出身のマネージャーに対して、意思疎通と人間関係を改善する3ステップのプランを提案しています。1にPeople、2にProcess、3にParticularsの3Pです。Peopleというのは、「人と人」の関係を日本人の同僚と作る必要があるということ。これには、ヨーロッパ拠点と日本の本社の両方が含まれます。もちろん、出張経費や駐在員の頻繁な入れ替わりなどの問題はあります。でも、根回しのプロセスに入ろうとするのであれば、お互いへの信頼感は必須です。

Processとは、根回しのプロセスをもっと明瞭にして、会議の目的(情報交換、話し合い、意思決定など)を明らかにする必要があるという意味です。そしてParticularsは、リスクを嫌う日本の幹部を説得するには詳細な情報やデータが必要だということを、現地採用のマネージャーが理解しなければならないという意味です。

でも、これは片側の努力でしかありません。日本からの駐在員は、欧州の子会社で起きていることを日本に報告することだけが仕事ではないと認識する必要があります。本社の企業風土、意思決定や戦略を伝え、ヨーロッパのスタッフが自分も大きな会社の一員であると感じられるようにしなければなりません。

日本人駐在員に対しては、1にDebate、2にDistil、3にDisseminateの3Dを勧めています。ヨーロッパの人たちは、ディベート(討論)が大好きです。意見を言うことで、自分が尊重されていると感じるのです。それにディベートは、日本から送られてくる意思決定の背景や論理を説明して、ヨーロッパの人たちに会社の方向性を説得するチャンスでもあります。

Distilは「蒸留する」という意味ですが、ここでは会社の戦略や企業理念、意思決定を明瞭・簡潔にまとめることです。日々の業務行動を判断する際の「礎」となるもの、すなわち「行動可能」な情報にまとめることが重要です。

Disseminateは情報を伝播し広めること。具体的には、前のステップで明確に打ち出した戦略、企業理念、決定を欧州全域の社員に伝えるため、実践的なステップを踏むことです。会社が大陸欧州に典型的なヒエラルキー組織の場合は、正しい命令系統を通じて情報を流す必要もあるかもしれません。または、ワークショップを使って社員にオーナーシップ意識を植え付け、戦略や企業理念が自分の仕事にどう関係するかを理解できるようにするのも、ひとつのやり方です。さらに、最初の2つのDがすでに行われたのであれば、ミーティングを増やして、今度こそは出席者全員が結論を受け入れやすい環境にすることができるでしょう。

Pernille Rudlin著 帝国データーバンク・ニュースより

この記事はパニラ・ラドリン著「ユーロビジョン: 変わりゆくヨーロッパで日系企業が信頼を構築するには」に出てます。Kindle版とペーパーバックはamazon.co.jpでご注文できます。

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